『Jeff Healey / Mess of Blues』 (Ruf 1126)
1. I'm Torn Down (Live)
2. How Blue Can You Get (Live)
3. Sugar Sweet
4. Jambalaya
5. The Weight
6. Mess O' Blues
7. It's Only Money
8. Like A Hurricane (Live)
9. Sittin' On Top Of The World (Live)
10. Shake, Rattle and Roll
ジェフ・ヒーリーが3月2日、癌で亡くなりました。享年41。自分と同い年。
新譜が発売される直前の訃報でした。デビュー当時、日本でも結構話題になった人でしたね。
盲目のギタリスト。椅子に腰掛けて膝の上にギターを置き、5本の指でジミヘン顔負けのアグレッシブなギターを弾く。凄いギタリストがいるもんだなぁと驚いたものです。
ブルースも演奏してましたが、ハードなロック・スタイルが主体で特にファンという訳ではありませんでした。
あれから20年、懐かしさとアルバム・タイトルに惹かれて、予約注文したこの新譜が遺作となってしまいました。
ブルースやロックのカヴァー曲で構成されてるこのアルバムは、日頃ライヴでやってる曲の中で人気のあるものを収録したそうで、全10曲の内、4曲がライヴ音源、6曲がスタジオ録音になってます。ギターはジェフ・ヒーリーそのものですが、ハード・ロックではなく相対的にブルース・ロックという感じですね。僕はかなり気に入ってます。
まずは、フレディ・キングの(1)、このノリいいね。ジェフがいくら弾きまくってもバックのリズム隊がしっかりしてるから収まりがいいし、激しくロールするピアノもなかなかのもんで、ほんと気持ち良く聴ける。現代のブルース・ロックのお手本みたいな演奏だね。
B.B.キングお得意の(2)では、ぐっとスローに静かな出だし。そして、一発のチョーキングにやられちゃいました。抑えていたものが爆発するが如く激しさを増す後半、オルガンとの絡み、激しさの中にも悲哀なるものを感じて心打たれます。このエモーショナルなギターは...ブルース衝動のある人だった。
お次のマディの(3)は、一転ファンキーなノリのファンク・ブルース。切れの良いカッティングが気持ちいいサイド・ギター。ここでも大活躍のオルガン、これがやっぱり結構上手い。ジェフも比較的太めの声で上手く歌ってますね。
(4)はファッツ・ドミノやプロフェッサー・ロングヘアーなど、ニューオーリンズの多くの人達が演奏したハンク・ウィリアムスの「On The Bayou」。ロックよりの作りですが、その香りは漂ってくるから良い。明るいノリで楽しい。
ザ・バンドの(5)やエルビスの(6)、ニール・ヤングの(8)など、ロックのカヴァー曲もそれなりに楽しめるのだが、ブルース好きとしてはウルフの(9)も聴き所でして、スロー・シャッフルのブルース。静かなすべり出しから次第次第に盛り上げてスパッとブレイク。このブレイクの入り方もカッコいいし、その後のブルージーなギターもカッコいいね。
このアルバムを聴けば聴くほど、早過ぎる死は残念でなりません。
50や60になった時のギターも聴いてみたかったですね。
ご冥福をお祈り致します。