2007年6月13日水曜日

V.A. / Blues Harp Diggers ~ Best Of Big Walter Horton


『V.A. / Blues Harp Diggers ~ Best Of Big Walter Horton』 (P-Vine PCD-23954)
1) JOHNNY SHINES / Evening Sun
2) SHAKEY "BIG WALTER" HORTON / Have A Good Time
3) BIG WALTER HORTON / Jumpin' Blues
4) BIG WALTER HORTON / Hard-Hearted Woman
5) JESSE FORTUNE / Too Many Cooks
6) BIG WALTER HORTON / Cotton Patch Hot Foot
7) BIG WALTER HORTON / I'm In Love With You baby (Walter's Blues) [take 1]
8) BIG WALTER HORTON / What's The Matter With You [take 1]
9) ARBEE STIDHAM feat. SHAKEY "BIG WALTER" HORTON / When I Find My Baby
10) GEORGE "WILD CHILD" BUTLER / Open Up Baby
11) BIG WALTER HORTON / Black Gal
12) BIG WALTER HORTON / Blues In The Morning
13) BIG WALTER HORTON / Little Boy Blue [take 2]
14) SHAKEY "BIG WALTER" HORTON / Need My Baby
15) BIG WALTER HORTON / Hard Hearted Woman
16) BIG WALTER HORTON / Now Tell Me Baby [take 2]
17) BIG WALTER HORTON / Back Home To Mama
18) TOMMY BROWN feat.BIG WALTER HORTON / Southern Women
19) SUNNYLAND SLIM feat.BIG WALTER HORTON / Highway 61
20) BIG WALTER HORTON with CAREY BELL / Trouble In Mind

P-Vineのブルース・ハーモニカのコンピ・シリーズは、全部で5枚リリースされるそうですが、こちらもその中の1枚で、ビッグ・ウォルター・ホートンの名演集となってます。

のっけからジョニー・シャインズの53年JOBセッションに客演した時の曲とは、こりゃまた粋ですね。イントロのアンプリファイド・ハープのこの音。切れの良さといいアタックの強さといい、何度聴いても惚れ惚れしてしまいますよね。どっちがメインか分かんない位吹きまくってて最高です。

2)や14)は56年のコブラ録音。コブラといえばオーティス・ラッシュが超有名で、「I Can't Quit You Baby」ではホートンがハーモニカを吹いていたが、ホートンの曲ではラッシュがギターを弾いてます。ウイリー・ディクソンが絡んでるだけあって、R&B的な感覚のモダンな作りで新しさを感じます。ハロルド・アシュビーのサックスとホートンの太いハープ。この絡みは本当にたまらんですね。

3)や6)~8)、11)~14)は51年、メンフィスでのモダン・RPM録音。この頃はまだ生ハープなのですが、音の太さは本当に凄いですね。それと、ハンド・ヴィブラートを使った奏法は、当時のあだ名"MUMBLES"からも分るように、もごもごとした吹き方もホートンの特徴的はものです。18番の「Little Boy Blue」はやっぱシビレます。

4)、17)の54年ステイツ録音も傑作なんですよね。
5)や9)、10)、18)、19)といったサポート側に回った時でも名演奏は多く、その存在感に圧倒されます。19)のサニーランド・スリムの56年コブラ・セッションに、共に参加しているジミー・ロジャースの「Walking By Myself」、この曲でもホートンがハーモニカを吹いてるのはご承知の通りで、僕はこの曲でビッグ・ウォルター・ホートンを初めて聴いたのですが、その繊細かつ豪快なブローは凄まじく、一発で惚れ込んでしまったのです。

これだけの巨人でありながら性分が災いしてか、自己名義の録音にあまり恵まれず、晩年までマックスウェル・ストリートで演奏し続けていたそうです。感慨深いものがありますね。そんなウォルター・ホートンのありそうでなかった究極のベスト盤。チェスの一連のベスト盤に匹敵するくらいの内容で、マスト・アイテムになること間違いなし、と思います。

2007年6月10日日曜日

V.A. / Blues Harp Diggers ~ Funky Harmonica


『V.A. / Blues Harp Diggers ~ Funky Harmonica』 (P-Vine PCD-23953)
1) LOUIS MYERS / Top Of The Harp
2) BOBBY RUSH / She's A Good Un - Part.1
3) JUNIOR WELLS / Snatch It Back And Hold It
4) JERRY McCAIN / Juicy Lucy
5) SMOKEY WILSON / Go Go Train (alt.take)
6) FRANK FROST / Feel Good babe
7) GEORGE "WILD CHILD" BUTLER / Hold Me Baby
8) RAFUL NEAL / Let's Work Together
9) BUSTER BENTON / Do It In The Rain
10) JIMMY REED / Big Legged Woman
11) FRANK FROST / My Back Scratcher
12) GEORGE "WILD CHILD" BUTLER / Jelly Jam
13) JERRY McCAIN / Soul Spasm
14) JIMMY REED / Big Boss Man (High Energy Version)
15) JUNIOR WELLS / We're Ready
16) SMOKEY WILSON / Tell Me Baby (alt.)
17) ROD PIAZZA & THE MIGHTY FLYERS / Come On Home
18) BILLY BRANCH & CARLOS JOHNSON / Don't Throw Your Love On Me So Strong
19) BERNARD McGEE / The Time Is Right

P-Vineのブルース・ハーモニカ特集第2弾は、ファンキー編ですよ。
デルマークやジュウェル、ケントなどの音源から選曲されたもので、ファン垂涎の名曲がずらーと並んでますね。耳にタコが出来る程聴き込んだ曲ばかりですが、何回聴いても聴き飽きないんです。このファンキー・グルーヴ、たまらん。

2007年6月7日木曜日

Dennis Binder / Hole in That Jug


『Dennis Binder / Hole in That Jug』 (Earwig CD 4952)
1) Must Be A Hole In That Jug
2)Big Leg Mama
3) She's Somethin' Else
4) I'm Lonesome
5) You Got Me Way Down Here
6) Funky Butt
7) Love Call
8) Early Times
9) I Don't Want Nobody Messin' Around With Me
10) Why Everybody Sings The Blues
11) Terrorist On The Loose
12) Everybody Needs A Miracle
13) Goin' Home

デニス・バインダーは1928年ミシシッピー州ローズデイル生まれのシンガー&ピアニスト。39年頃にシカゴに移り、51年にチェスで4曲録音したが発表されず、その後アイク・ターナーのバンドに入り、54年にはモダンの録音にも参加したようですね。他にギター・レッドとのサンでの録音やデルマークでも録音を残していますが、今回、アーウィグから発表された新譜は、自身初のフルアルバムみたいです。

冒頭から挨拶代わりの軽快なノリのロックンロール・ナンバー、流石にこういった曲はお手の物でなかなか良いです。ヴォーカルはリトル・リチャードほどのバイタリティは感じられませんが(80前だから当然かも 汗汗)、比較的ディープで柔らかい歌声は味があって惹かれますね。控え目ですがコロコロ良く転がるピアノも印象的です。

2曲目はミディアム・シャッフルのブルース。デトロイト・ジュニアやマジック・スリムのティアドロップスに参加してたシカゴ・ブルースのベテランギタリスト、ジェームス・ホイーラーとジョディ・ウイリアムスのアルバムに参加してたクリス・ジェームスのギターが、なかなか渋くていい味出してます。

7)と9)は60年に録音された曲のようです。通して聴いててもそれ程違和感はなく、全体的にヴィンテージなサウンドだからでしょうが、この録音にはA.C.リードやヴィンセント"ギター・レッド"デュリングが参加してます。9)のソウル・バラードでは、A.C.リードの図太いサックスに痺れます。デニス・バインダーのヴォーカルも若いだけあって、声に艶があって上手いですね。

8)はニューオリンズR&B風のロックンロール・ナンバーで、本領発揮するのはやはりこのような曲みたいです。とっても楽しい曲で結構好きですね。若い頃の録音をもう少し聴いてみたくなりました。