2009年8月17日月曜日

Sonny Rhodes / Live!


『Sonny Rhodes / Live!』
1. She's My Woman
2. Crazy Fool Blues
3. Shaky Ground
4. Since I Met You Baby
5. River's Invitation
6. Think
7. Jelly, Jelly, Jelly
8. Life's Rainbow

サニー・ローズの久々の新作は、自主制作で出されたライブ・アルバムです。
トレードマークのターバンは止めちゃったのかな。あれは、どう見てもブルースマンには見えなかったのだが、イメチェンですかね。裏ジャケの写真を見ると、ズボンまで真っ赤っ赤。これは多分、靴も真っ赤でしょうね。しかし、この顔の表情、ブルースだね。

もう一つのトレードマーク、ラップ・スティール・ギターは今も健在。テキサスらしい攻撃的なギターを弾き、アップテンポの割と派手目のブルースを演奏してたようなイメージがありますが、今回のライブは結構渋いサウンドを出してますね。

1曲目は、比較的にアップテンポなシャッフル・ナンバーで、これまでのサニー・ローズのサウンドに近い感じかな。ホーン・セクションが入ってないのでゴージャス感はないが、その分、凄くタイトで、どっしりとした濃いブルースに仕上がってます。サニー・ローズの歌は相変わらず上手いし、69歳とは思えないこの若々しい歌声にはビックリですね。

2曲目はどっしりと濃厚なスロー・ブルース。この曲は特にいいな。ギターはマイク・フリンという人が弾いてるんだろうと思いますが、間とかタメとか、ブルースを知り尽くした人のギターだなと思う。ソロもぐっと来るね。そして、もう一人、ナンシー・スウォーブリックという女性ハーピスト。後半のハープ・ソロで大活躍ですが、女性とは思えない図太さとエモーショナルな表現、鳥肌立ちました。迫力満点でホンと素晴らしいです。1曲が長い曲ばかりですが、この曲は特に長くて、12分34秒。サニー・ローズのタフさにも頭が下がりますね。

ずっしりとしたファンキー・ブルースの(3)もなかなかカッコいい。
続く(4)のスワンプしたルイジアナ・ブルースも僕は好きだな。サニー・ローズのレイドバックしたラップ・スティール・ギターが、なんとも言えない良い味を出してます。それに合わせたようにレイドバックするハーモニカ。哀愁漂うその旋律に泣けてきます。やっぱこの女性ハーピストはタダモンじゃないな。

テキサス風味たっぷりのギターから始まるスロー・ブルースの(7)は、ストーミー・マンディ・ブルースでした。ここでもやっぱ、ハーモニカですね。すっかりこの女性ハーピストに参ってしまったな。ナンシー・スウォーブリック、覚えておこう。
サニー・ローズはスタジオ新録のアルバムも発表してます。まだ封も切ってませんので、こちらは後日ということで。

2009年8月7日金曜日

Dennis Gruenling / I Just Keep Lovin' Him - a Tribute to Little Walter


『Dennis Gruenling / I Just Keep Lovin' Him - a Tribute to Little Walter』 (Black Bender)
1. Up The Line
2. Lovin' Man
3. I Got To Go
4. Hot Shot
5. Too Young To Know
6. Corbella
7. If You Were Mine
8. My Little Machine
9. Teenage Beat
10. As Long As I Have You
11. Temperature
12. One Of These Mornings
13. That's It
14. You're Sweet

このアルバムは久々のジャケ買いでした。いかにもチェス・レコードを彷彿とさせるようなジャケットで、どこかで見たようなデザインと思いませんか。で、チェスのアルバムを探してみたら、ありました、ありました。リトル・ウォルターの「ヘイト・トゥ・シー・ユー・ゴー」の裏ジャケ。これは合成写真かな。個人的には好きですね、こういうの。

CD本体もアナログのレコードに似せたデザインで、表面には溝まで切ってある凝った作り。因みに、針を落としても音は出ません。ジャケットもCDもディテールに至るまで、かなりのこだわりようで、これだから通常の価格より5ドルも高くなってんのかな。

さて、主役のデニス・グルーエンリングという人、アメリカではかなり評判の高いハーピストのようですが、僕は全く知らなかったなぁ。

これまでに3枚のアルバムがありますが、全て廃盤になってるみたい。サンプルを試聴してみましたら、基本的にはスウィングやジャンプ・ブルースで、2枚目では今回のアルバムに通ずるようなヴィンテージなシカゴ・サウンドもやってますね。なかなか渋い。スウィングやジャンプ・ブルースは好きなところでもあるので、ちゃんと聴いてみたい気もするが廃盤では残念です。

しかし、今回のリトル・ウォルターのトリビュート・アルバム、結構お気に入りでヘビー・ローテーションで聴いてました。デニス・グルーエンリングは歌は一切歌わず、ハーモニカ・オンリーで、ゲストのキム・ウィルソンやリック・エストリン、スティーヴ・ガイガー、紅一点のジーナ・フォックスという人が交代で歌ってます。デニスを全く知らなくても、なんか馴染み深い気がするところがミソだね。

曲はウォルターのオリジナルばかりではなく、マディの(2)や(5)、ウィリー・ディクソン作でオーティス・ラッシュがコブラ・セッションでやった(7)とか。この時はウォルターが吹いてましたね。ジミー・ロジャースの(8)とか。ウォルターがサポートとして参加した曲も取り上げてて、とても良い選曲だと思います。

一番の聴き所は、デニス、キム・ウィルソン、リック・エストリン、3人のハーピストが一堂に会して演奏したハーモニカ・インストの(9)だね。ラスティ・ジンのギターもなかなか渋くて、こりゃたまらんです。

全体的に、あの当時のドロッとした粘りのあるサウンドではなく、ウエスト・コースト系の軽快なノリのカラッとしたサウンドです。黒人マニアの方には受け入れて貰えないサウンドかもですが、このリラックスした雰囲気、軽いけど明るい。好きなんだなぁ。