2008年11月30日日曜日

Honeyboy Edwards / Roamin' and Ramblin'


『Honeyboy Edwards / Roamin' and Ramblin'』 (Earwig CD 4953)
1. Apron Strings
2. Crawling Kingsnake
3. Trouble Everywhere
4. I Was in New Orleans Last Night
5. How Long
6. Maxwell Street Shuffle
7. The Army Blues
8. Roamin' and Ramblin'
9. Talking About Little Walter
10. Smoky Mountains
11. Strollin' Down Highway 61
12. Low Down Dog
13. Little Boy Blue
14. Freight Train Tale
15. Riding The Rails
16. She Worries Me All The Time
17. Boogie Rambler
18. Shufflin' the Blues Conversation
19. Jump Out

ロバート・ジョンスンやチャーリー・パットンを知る生きる伝説、デヴィッド・ハニーボーイ・エドワーズ。マディやロックウッドと同じ年生まれの93歳。
実はうちのばあちゃんも93で元気なんだが、しかし、あのお年を考えると未だに現役で音楽活動が出来るというのは、やはり凄い。歌声にもまだまだ力があるしね。

このアルバムは、2007年にボビー・ラッシュやビリー・ブランチを迎えて録音されたものと、今回が初リリースらしいウォルター・ホートンが参加した75年録音物やシュガー・ブルーとの76年物などがコンピレーションされたものだ。

ボビー・ラッシュの個性的なハーモニカが聴ける(1)、このファンキーなリズムはカッコいいね。若手のヒル・カントリー・ブルースの連中には敵わないカッコ良さがある。

(6)では、ビリー・ブランチのふくよかなハーモニカに魅了される。曲名が如何にもだが、ウォッシュボードのリズムはルイジアナを感じさせ、このあたりは面白い。

そして、僕にとって極め付きは、ウォルター・ホートン参加の(10)と(19)。ハニーボーイのブギってるギターをバックにホートンのハーモニカ。鳥肌ものでシビレますね。

ハニーボーイはシカゴに移って来ても、リトル・ウォルターとマクスウェル・ストリートで演奏してたそうですが、そういう事に思いを馳せることの出来るアルバム。感慨深い。

2008年11月26日水曜日

Dr. “Feelgood” Potts / Going Down To Memphis


『Dr. “Feelgood” Potts / Going Down To Memphis』 (Pottstown PT-2007-1)
1. Going Down To Memphis
2. Ramblin' Mind Blues
3. Juke Joint Blues (Harmonica Instr.)
4. My IN-Laws
5. A Dab Of Your Love
6. Delta Blues (Harmonica Instr.)
7. Pistol Packing Mama
8. Greenwood Mississippi Town
9. I Love You Baby
10. Break Away (Harmonica Instr.)

ハーモニカを持ったヒゲ濃い~おじさん、この顔のような凄く濃い~サウンドが飛び出して来るんじゃないかなと思って買ったアルバム。

全く知らない人は、まずはallmusicで調べたりしますが、過去に3枚程アルバムを出してるようです。試聴もしてみると、ボビー・ウォーマックを思わせるようなサザン・ソウルかニュー・ソウルというのかな、そういったサウンドのアルバムで、正直「え~」って感じでした。というのもこの"Going Down To Memphis"は、メンフィスとかミシシッピとかの南部の香りが漂うこってりとしたブルースだもん。どっちが本当のドクター・フィールグッド・ポッツなんでしょうね。わかりましぇん。

それはさておき、このアルバムはメチャメチャ気に入ってます。以前紹介したビッグ・ジョージ・ブロックに匹敵するくらい。

ヴォーカルが入ってる曲は、比較的ゆるいテンポのものが多くて、ジミー・リードを思わせるまったりとしたゆるさ。(2)あたりの引き摺るようなゆるさはたまらんです。

ハーモニカはテクニシャンちゅう感じじゃないけれど、ビブラートを使って歌心のあるハーモニカだと思います。歌は黒人さん特有のあれで、ソウルフルで上手い。この声聴かされたらやっぱ敵わないと痛感しちゃうな。

ハーモニカ・インストの(3)、(10)あたりは、フランク・フロストみたいなアップテンポのデルタブルース。ジェリー・ロール・キングスほどのイナタさはないけれど、シビレるな。

(9)はメンフィスらしくハウリン・ウルフを感じさせる1曲。これもなかなかいい。
全曲オリジナルで、良い曲ばかりです。捨て曲なし!
それから、Chiemi“The Ice Lady”Fujioという人が2曲ベースを弾いてるのですが、日本人女性かな?だとしたらスゲ~!

2008年11月24日月曜日

House Rockin' and Blues Shoutin'!


『House Rockin' and Blues Shoutin'!』 (Blue Witch BWR-1039)
1. Goin' Away Baby - The Fabulous Thunderbirds
2. Lonesome Bedroom - The Mannish Boys
3. Long John's Country Blues - Long John Hunter
4. Please Don't Go - Floyd Dixon
5. That's All Right - Big Pete Pearson & The Rhythm Room All-Stars
6. Henry's Houserocker - Henry Gray with Kid Ramos
7. Rich Woman - The Fabulous Thunderbirds
8. My Bleeding Heart - Sonny Rhodes
9. That's It - Paul Oscher
10. Monkey Meat - Chief Schabuttie Gilliame with Johnny Dyer and Henry Gray
11. C.C. Rider - Robert Lockwood
12. Horsin' Around - The Fabulous Thunderbirds
13. Time Will Tell - Louisiana Red
14. Two Drinks Of Wine - Billy Boy Arnold

ボブ・コリトアというハーピストをご存知かな?活動の場はアリゾナ州のフェニックスで、オーソドックスなシカゴ・ブルースをやる人なのですが、昨年はデイヴ・ライリーのアルバム「Travelin' the Dirt Road」でハーモニカを吹いてました。割と評判良かったのについつい買いそびれてしまったヤツだ。

そのボブ・コリトアさんは、Rhythm Roomという名のお店を経営してまして、そこで繰り広げられたライブの中から選りすぐりの名演集が、今回ご紹介するアルバムです。

ざっとクレジット見ても、フェニックスに住んでたら毎晩通いたくなるくらい濃い~メンツが揃ってますな。

3曲も収録されてるファビュラス・サンダーバーズ。ロッキン・ブルースをド派手に噛ましてくれるバンドですが、ここではオーソドックスに演奏してます。キム・ウィルスンのハープを十二分に堪能できるノリノリのインストナンバー(12)がカッコイイ。

弾き語りのロング・ジョン・ハンター。ギターの音色がとても心地よい。

ビッグ・ピート・ピアスンの感情の入った迫力の歌は痺れましたね。

ヘンリー・グレイとキッド・ラモスががっぷり四つに組んだインストの(6)。ピアノもギターもこりゃ~たまらんです。

あと、サニー・ローズの何処と無く神秘的なラップ・スティールの音とか、ポール・オシャーのギターとハーモニカの巧みな演奏。ロックウッドの透き通るような煌びやかなギターなどなど聴きどころ満載ですよ。

2008年11月22日土曜日

Bill Lupkin / Hard Pill To Swallow


『Bill Lupkin / Hard Pill To Swallow』 (Blue Bella BBCD-1011)
1. Think It Over Baby
2. Funny Way to Show Me You Love Me
3. Bad Luck
4. Fine Little Thing
5. I'll Be Over You Someday
6. Elgin Bounce
7. Cell Phone Blues
8. See That Little Girl
9. Hole in My Heart
10. Blues Again Today
11. You're Gonna Be Sorry
12. Hook, Line and Sinker
13. Where You Goin'
14. Hard Pill to Swallow

ニック・モス繋がりで初めてその存在を知ったこのビル・ラプキン。
60年代後半からシカゴで活躍してるベテランのハーピストで、70年代にはジミー・ロジャースのバンドに加入し、録音にも参加してるようです。この録音は聴いた事がないので何とも言えないが、当時からかなりの実力者だっただろうってことは想像できます。にも拘らず、自己名義の単独アルバムが極端に少ない。2006年にBlue Bellaから出る前は、1999年のライブアルバムだけという現実。世の中厳しいね。

で、このアルバムは2007年に出たBlue Bellaからの2作目。目下のところ、これが最新作になります。古き良きダウンホームなシカゴ・ブルースをやってまして、99年のライブアルバムからこのアルバムも、一貫してそのサウンドは変わってない。シカゴではマイノリティーとなってしまったようだが、ダウンホームなブルースはやっぱいいなぁ。

前作同様すべてオリジナルで、アップテンポのシャッフルからマイナー調のブルースまで、ソングライターとしてもなかなかですが、それよりなによりもハープの音。図太く奥行きがあってホント気持ち良く鳴ってます。ヴォーカルも負けないくらい太く、渋めで好きですね。ニック・モスのサポートもビル・ラプキンの持ち味を良く引き出してるし、なかなか良いアルバムですね。

2008年11月20日木曜日

Bharath and his Rhythm Four / Friday Night Fatty


『Bharath and his Rhythm Four / Friday Night Fatty』
1. Don't have to Hunt no More
2. Gin drinkin' Woman
3. You're the One
4. Louisiana Blues
5. Born Blind
6. Sweet Black Angel
7. Friday Night Fatty
8. Huckle Boogie
9. I Need a Change
10. Little Girl
11. Talk to Me Baby
12. Take a Swing with Me
13. Ludella
14. Fast Boogie

ジュニア・ワトソンが参加してるアルバムはついつい購入してしまうのですが、このアルバムもそんな中の一枚。

てっきりウエストコーストのブルースだろうとばかり思ってたら、なんと50年代の思いっきりヴィンテージなシカゴ・ブルースじゃないですか。

機材もヴィンテージなものを使ってるようで、細かいニュアンスに至るまであの当時のサウンドを再現してます。このこだわりようはもうマニアックな世界ですね。

ヴォーカルを担当するバラスのハーモニカはもろリトル・ウォルターで、かなりの達者物だと思います。

大御所達の名曲に紛れてオリジナルもやってますが、これが実に良く出来てる。例えば(2)なんかハーモニカだけじゃなくピアノも効いてて、コテコテに黒いな。

古典的なバック・ビート・シャッフルちゅうのは、聴いててホント気持ちいいんですが、一番好きなのはピー・ウィー・クレイトンの(8)だったりします。今の僕にはこのジャンプ・ブルースがたまらんのです。ジュニア・ワトソンのギターも実にいい。

2008年11月17日月曜日

Eric Lindell / Low on Cash,Rich in Love


『Eric Lindell / Low on Cash,Rich in Love』 (Alligator ALCD 4918)
1. Lay Back Down
2. Low on Cash
3. Josephine
4. Mind Your Business
5. Tried and True
6. Lady Day and John Coltrane
7. What I Got
8. It's My Pleasure
9. It's a Pity
10. I Got a Girl
11. It's You
12. All Night Long

エリック・リンデルのアリゲーター移籍後、2作目のアルバムです。
今年の初め頃に発売されたんですが、随分と長いことサボってたんで「今頃!」になってしまった。こういったアルバムが盆地みたいになってることだし、またボチボチやってこうかな。

そんでもって、このエリック・リンデルさん、好きなんですよ。
なんつってもあの個性的な歌声がいい。ちょっぴりスモーキーでヨレっとしてても、なにげに惹きつけられる魅力があるんですね。

サウンドはレイドバックした南部のロックという感じで、スワンプ・ポップとかソウル、ファンク、R&B、ブルース、ジャズなどなどを混ぜ混ぜして独特だね。妖しい雰囲気なんかも漂ってて、独自性の高い音を出してます。ニューオリンズっていろんな人いるからホント面白い。

前作はアリゲーター1作目ということもあったのか、力入り過ぎてて音詰め込み過ぎみたい。ギラギラしたサウンドだったが、今回のアルバムは肩の力が抜けて、なかなかのいい感じ。結構気に入ってるのが(8)で、ファンキーなリズムとアクセントになってるクリス・ミュレのスライド、そして、エリックのペキペキしたブルージーなギター。カッコイイね。あと、ギターのコードワークがなかなか良いソウルフルな(4)とか、エリックのハーモニカが聴けるブルージーな(10)とか好きだね。
曲作りも上手いしアレンジも上手いんで、何回聴いても飽きないね。