『Dennis Gruenling / I Just Keep Lovin' Him - a Tribute to Little Walter』 (Black Bender)
1. Up The Line
2. Lovin' Man
3. I Got To Go
4. Hot Shot
5. Too Young To Know
6. Corbella
7. If You Were Mine
8. My Little Machine
9. Teenage Beat
10. As Long As I Have You
11. Temperature
12. One Of These Mornings
13. That's It
14. You're Sweet
このアルバムは久々のジャケ買いでした。いかにもチェス・レコードを彷彿とさせるようなジャケットで、どこかで見たようなデザインと思いませんか。で、チェスのアルバムを探してみたら、ありました、ありました。リトル・ウォルターの「ヘイト・トゥ・シー・ユー・ゴー」の裏ジャケ。これは合成写真かな。個人的には好きですね、こういうの。
CD本体もアナログのレコードに似せたデザインで、表面には溝まで切ってある凝った作り。因みに、針を落としても音は出ません。ジャケットもCDもディテールに至るまで、かなりのこだわりようで、これだから通常の価格より5ドルも高くなってんのかな。
さて、主役のデニス・グルーエンリングという人、アメリカではかなり評判の高いハーピストのようですが、僕は全く知らなかったなぁ。
これまでに3枚のアルバムがありますが、全て廃盤になってるみたい。サンプルを試聴してみましたら、基本的にはスウィングやジャンプ・ブルースで、2枚目では今回のアルバムに通ずるようなヴィンテージなシカゴ・サウンドもやってますね。なかなか渋い。スウィングやジャンプ・ブルースは好きなところでもあるので、ちゃんと聴いてみたい気もするが廃盤では残念です。
しかし、今回のリトル・ウォルターのトリビュート・アルバム、結構お気に入りでヘビー・ローテーションで聴いてました。デニス・グルーエンリングは歌は一切歌わず、ハーモニカ・オンリーで、ゲストのキム・ウィルソンやリック・エストリン、スティーヴ・ガイガー、紅一点のジーナ・フォックスという人が交代で歌ってます。デニスを全く知らなくても、なんか馴染み深い気がするところがミソだね。
曲はウォルターのオリジナルばかりではなく、マディの(2)や(5)、ウィリー・ディクソン作でオーティス・ラッシュがコブラ・セッションでやった(7)とか。この時はウォルターが吹いてましたね。ジミー・ロジャースの(8)とか。ウォルターがサポートとして参加した曲も取り上げてて、とても良い選曲だと思います。
一番の聴き所は、デニス、キム・ウィルソン、リック・エストリン、3人のハーピストが一堂に会して演奏したハーモニカ・インストの(9)だね。ラスティ・ジンのギターもなかなか渋くて、こりゃたまらんです。
全体的に、あの当時のドロッとした粘りのあるサウンドではなく、ウエスト・コースト系の軽快なノリのカラッとしたサウンドです。黒人マニアの方には受け入れて貰えないサウンドかもですが、このリラックスした雰囲気、軽いけど明るい。好きなんだなぁ。
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