『Motor City Josh & The Big 3 / Covered Up』
1. Born Under a Bad Sign
2. Dust My Broom
3. Jessica
4. Something
5. Little Red Rooster
6. Boogie Thing
7. She's 19 Years Old
8. I Can't Be Satisfied
9. On Line
10. Honey Hush
11. The Little Drummer Boy
12. Stopped by the Poe-Poe
今日は、デトロイト出身のギタリスト&シンガーのモーター・シティ・ジョシュです。
2002年発売のアルバム「Stringer Full Of Blues Vol.1」を聴いて以来、過去のアルバムからその後発売されたアルバム、全て購入するほどの熱の入れようでして、
ブルースは勿論、サザン・ロックやカントリーなど、幼き頃から聴いて来た音楽を吸収消化して、個性的なジョシュ・サウンドというものを、25歳で出した1stアルバムで既に確立させてましたから、やはり、並のミュージシャンではないなって思います。ギターはアルバート・キングかアルバート・コリンズかという感じはしますが、テレキャスター弾きですから、やはり一番はアルバート・コリンズなのかな。しかし、ファットなサウンドにしろフレーズにしろ、自分のスタイルをしっかりと持ってるギタリストです。そのギター・サウンドはかなり魅力的で、最も惹かれるところですね。
そして、もう一つの魅力はボーカル。ハウリン・ウルフに近い感じで、黒人並みの図太い声をしています。初めて聴いて時は、そのみてくれとのギャップにホンと驚きました。
そんな存在感ばっちりのモーター・シティ・ジョシュが10作目として発表したアルバムが、今回の「Covered Up」ですが、タイトルからも想像できますように、お気に入りの人達の曲をカヴァーしたライブ・アルバムです。
ジョシュのライブは、いろんな趣向を凝らし遊び心満点の演出で定評がありまして、次は何が飛び出すかなんて楽しみがあるのですが、今回のアルバムは以前出したライブ・アルバムと較べると、全体的な印象としてはタイトに纏めたなという感じを受けました。ですが、つまらないなんて事は全くなくて、バンドの纏まりやらノリやらホンと良くて、より以上にバンド・サウンドに力入れたって、そんな意気込みが伝わってきます。
お気に入りは(10)で、アルバート・コリンズを割りとストレートにカヴァーしてますが、アレンジの上手さは流石で、完璧に自分の曲にしてしまってるのは凄いね。ファンキーなリズムのロッキン・ブルースはお手の物で、ただ遮二無二に突き進むのではなく、間を活かしたり、引くべき時は引いたりとメリハリをつけた演奏だからこそ、このファンキーさが生きてくるんですよね。
アルバート・キングの(1)もファンキーなブルース。この手のサウンドが一つの基本形となってます。もう一人のギタリスト、ジョニー・ローズの硬質で切れのあるストラト・サウンドと、ファットで艶やかなジョシュのテレキャスター・サウンドのコントラストがなかなか面白い。特に後半のコール&レスポンスがいいね。
ジョシュのワイルドなスライドが切れまくる(2)、ツイン・リード・ギターが冴えてるオールマンの(3)、妖艶なスライドがゾクゾクする(7)などなど聴き所満載で、めちゃくちゃシビレるライブ・アルバムでした。
これだけの逸材をアメリカのレーベルは、どうしてほっとけるのか不思議でならないのだが、自主制作でもいいからアルバムを出し続けてくれたらOKかな。来日なんて現実考えたら不可能に近いし、しかし、年間300本のライブをこなすライブ大好きな人達ですから、いきなりフジロックに登場してもきっと盛り上がるだろうな。