2009年5月10日日曜日

Byther Smith / Got No Place To Go


『Byther Smith / Got No Place To Go』 (Fedora FCD 5034)
1. I'm a Honey Bee
2. I Had My Fun aka Goin' Down Slow
3. Monticello Lonely
4. I Know That's Grace!
5. Got No Place to Go
6. Byther Boogie
7. How Much More?
8. 35 Long Years
9. Every Woman I Meet
10. Come on in This House
11. Red!! You Let the Dogs Out

バイザー・スミスは、シカゴ・ブルース最盛期の60年代初頭から活動し始め、以降40年以上第一線で活躍している重鎮の一人と言っていいのだが、日本では今一つ知名度が低い。と言う自分も初めて聴いたアルバムは、2001年発表の「Smitty's Blues」だった訳なんですが。モダンなんだけどもダウンホーム臭いイナタいサウンドは割と個性的で、特にタメの効いたテンションの高いブギは結構好きなんです。

70歳代半ばになっても精力的に活動してるバイザー・スミスですが、今回のアルバムは「Blues On The Moon」(これが初のライブアルバムというから驚き)に続き、フェドラから発売されたスタジオ新録のアルバムです。

1曲目からいきなりロックンロール・ナンバーとは少々面食らってしまったが、チャック・ベリーっぽいフレーズを織り交ぜながら、バイザーらしいちょぴりクランチのかかったギターはインパクトありますね。リズムのノリも好きなほうで結構お気に入りです。

(4)ではもろジェームス・ブラウンのファンキー・ソウル。こういう曲になると歌の音程がちょっとビミョーって所もありますが、お年を考えたらこの迫力は凄い。

(6)はジョン・リー・フッカーのワンコード・ブギ。これはブギ・チレンですね。フランク・ゴールドワッサーのハーモニカがいい味出してまして、ダウンホーム臭さが益々臭くなってますね。

前半戦は割と意欲的な取組みをした感じですが、後半戦はバイザー・スミスらしいシカゴ・ブルースが並んでおります。

まずは従兄弟のJ.B.ルノアーの(7)。やっぱり、こういうロウダウンなシャッフルはいいね。たまらんです。バイザーはルノアーからギターを学んだそうですから、この曲も直伝でしょうか。じっくり煮込んで熟れたいい味を出してます。

スロー・ブルースの(8)。オーティス・ラッシュを彷彿とさせるクリア・トーンのスクイーズ・ギター。この表現力は流石、ぐっと心に染みてきますね。

そして、ジュニア・ウェルズの(10)。ジュニア・ウェルズとは70年代、テレサズ・ラウンジで長年一緒に活動した仲。その時の演奏は「ライヴ・アット・テレサズ 1975」で聴けます。あのアルバムはいろんな意味で有難かった。この曲もウェルズの定番曲、歌は及ばなくとも熟成されたギターの味は格別。

最後はファンキーでロウダウンなスロー・ブルース。ただ単に昔の音をなぞるのではなく、クリエイティブな楽曲を今なお探求する姿勢には感銘を受けます。

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