『Tom "Blues Man" Hunter / Down In The Bottoms』 (Great Recordings GR2047-2)
1. I'm Burnt Out
2. It Is What It Is
3. I Want Some More of That
4. I've Got the Hots for You
5. They Say Time Is Money
6. What You Mean to Me
7. Gulf Coast Stomp
8. I Can Fix It
9. Roll with the Punch
10. Don't Hold Your Breath
11. Down in the Bottoms
トム“ブルース・マン”ハンターはロング・ジョン・ハンターの弟で、この兄弟が共演したアルバム「One Foot in Texas」で初めて弟の存在を知った訳ですが、あのアルバム、リズム隊はダブル・トラブルで、テキサス・ホーンズやゲイリー・プリミチ、ニック・コノリー、プロデューサーにはエディ・スタウトと、テキサス・オールスターちゅう感じで豪華に作製された、なかなか好いアルバムでした。兄のロング・ジョンは、澄んだ高音がよく通る艶のある歌声と、ソリッドなクリアトーンでパキパキ弾くギター。一方、弟は図太くて嗄れた渋い声と、幾分マイルドなクリントーンでメローに弾くギターでした。同じような路線の曲を演奏してても、それぞれにに個性があって楽しく聴かせて貰いました。あれ以降、兄は音沙汰ないが、弟は遅咲きのデビューながら地道に活動してまして、2作目のアルバムを発表しました。
2005年に発売された多分初アルバムの「Expressions of A Blues Man」同様、全曲オリジナルでソングライターとしての手腕を発揮して、こなれた良い曲を書いてます。
前作でいい味を出してたハーモニカやサックスは、今回は入れておらず、歌とギター、ベースをトム一人でこなし、あとはドラムとキーボードというシンプルな構成。B級のチープさに益々磨きが掛かった感じですが、サウンドは前作と同じ路線で、スワンピーなダウンホームとモダンさが同居したような、ダイアルトーンに負けず劣らずのイナタさがありますね。
タメの効いたリズムにパキーンとしたギターが絡む(1)やメローなギターに渋い歌声、トムの魅力が遺憾なく発揮されたスローブルースの(2)、スワンプ・ポップちゅう感じのノリの良いストンプ・ナンバーの(7)など、好い曲は結構いっぱいあって、曲作りはかなり上手いし、実力もあります。しかし、前作でも感じたのですが、全体的になんか単調なんですよね。アレンジなどもっと練って頂くともっと良くなると思うんですが。