『John Primer / All Original』 (Blues House BHP-JP2008)
1. Add a Little Touch
2. Going Back to Mississippi
3. I Called My Baby
4. Everyday Brings by a Change
5. Blue Eyed Woman
6. Other Man
7. Woman That I'm Loving
8. Bad Child
9. Keep on Loving the Blues
10. At Home Alone
11. Say Yes, Don't Say No
12. Love in My Heart for You
シカゴ・ブルースのベテランギタリスト&シンガーのジョン・プライマー。マディ・ウォーターズ・バンドの最後のギタリストだったのは周知の通りで、マジック・スリムのティア・ドロップスにも在籍してましたし、サイドマンとしても今なお活躍されてるシカゴでも屈指のギタリストですね。そして、古き良きトラディショナルなシカゴ・サウンドを今に伝える数少ないブルース・マンでもあります。
このアルバムは昨年発売の最新作で、独自のレーベル“Blues House Productions”からの第一弾。タイトル通り、全曲オリジナル。こうなると自ずと力も入るってもんだが、そこは流石に酸いも甘いも噛み分けたベテランでして、力の入れ所が違うね。
いつになく50年代、60年代のヴィンテージなシカゴ・サウンドを力みなく、どっしりと落ち着いた感じでやっとります。例えば(1)は、「Poor Man Blues」の冒頭を飾った曲で、アップテンポのド派手にファンクしたナンバーだったが、ここでは、それこそ腰ダメのどっしりとしたシャッフルに生まれ変わってます。このアルバムのカラーを物語る象徴的な曲になってる思いますね。甲乙つけ難いカッコ良さだ。
(3)(8)ではエルモア・ジェイムス・サウンドを披露。トリビュート・アルバムを作製するほどエルモア好きのようだが、バンドも凄くタイトで、あのアルバムを思い出させるサウンド。スロー・ブルースの(3)がいいね。プライマーのスライドが渋いし、特にこのユルさがたまらんです。
(4)(9)はリトル・ミルトンのブルーズン・ソウルという感じかな。歌はソウルフルで結構上手いですね。
このアルバムの中では比較的ファンキーな(6)。この前聴いてたバイザー・スミスのブギのようなノリの良さで、お気に入りの1曲です。
そして、オーティス・ラッシュを彷彿とさせる(10)では、エモーショナルなスクィーズ・ギターと歌、痺れますね。ギターが泣いてます。
最後はアコギとハーモニカのセットによるカントリー・ブルース。スライドを絡ませながらダンサブルに弾くギターは、アタックはそれ程強くないが、なにげにサン・ハウスぽくて好きだな。ハーモニカはハーモニカ・ハインズ。アルバムを通して、各曲毎に巧みに表情を変えながら、上手くサポートしております。このコンビ、なかなかいけるかも。
このアルバムを最初に聴いた時、ガツーンとくる一発はないし、ちょっと物足りなさを感じたんですが、何回か聴いているうちにジワジワっと効いてくる、そういうヤツですね。
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