2009年7月22日水曜日

吾妻光良 & The Swinging Boppers / Sweatin’ Ballroom


『吾妻光良 & The Swinging Boppers / Sweatin’ Ballroom』 (HOT RIVER HOTRCD-001)
1. Things Ain't Waht They Used to Be
2. 齢には勝てないぜ
3. 最後まで楽しもう
4. 顔のシワ
5. しかしまあ何だなあ
6. パッチグー
7. Let Your Hair Down
8. 登場 Theme 1
9. I Can Dream, Can't I
10. Do You Ever Think of Me ~退場 Theme 1
11. 道徳 Hop
12. Big 盆 Boogie
13. 極楽パパ
14. 飲むのはやめとこう
15. 登場 Theme 2
16. Just a Gigollo ~ I Ain't Got Nobody
17. Latin medley of the fascination: 嫁の里帰り ~ 誰がマンボに "ウッ!!" をつけた
18. 知らぬまに心さわぐ "You Brought a New Kind of Love"
19. 退場 Theme 2
20. 高田馬場へ "Loosiana"
21. ほんじゃね

スウィンギン・バッパーズも結成30周年を迎え、記念すべき初のライブ・アルバムが発売されましたね。半年くらい前なんですけれど。
定番となってるオープニング曲から脱退した堀江さんに捧げられたというエンディング曲まで、ベスト盤的選曲で、アッという間の78分、相変わらず愉快でエンターテイナーだなって感じですね。

ジャンプ・ブルースとかスウィングとか、日本ではマイノリティーなサウンドながら、身につまされるユニークな歌詞と吾妻さんのボーカルが親しみ易さを感じるところで、「ビック・バンド歌謡曲」といわれる所以なのかな。しか~し、めちゃ上手いとは言えないけれどスウィングするビッグ・バンドとゲイトマウス・ブラウンばりにキレのあるジャンピン・ギター。これが肝心です。吾妻さんのギターはやっぱ最高すね。

曲は今更レヴューするまでもないが、(4)や(12)は聴いたことがなかったな。ライブではやってたのかな。(4)の歌詞なんか、身に覚えがあるからもう可笑しくって笑っちゃうね。(12)も吾妻ワールド全開のジャンプ・ブルース。最後、“ボーン・トゥ・ビー・ワイルド”だって。こういう遊び心も大好き。

カヴァー曲では、ルイス・プリマの(16)。ゲストの藤井康一さんがボーカルを担当されてて、割と忠実のカヴァーしてますね。歌もバンドもプリマほどの迫力はないが、なかなかいい感じです。吾妻さんのパキパキーンのギターが入ることでまたいい味が出てるな。鶯谷から始まった駅名が何線なのかピンと来ないが、「ウチです。」ってなんだそういうオチでしたか。ほんと面白い。
そういえば、DVDも発売されてるようで、お小遣い溜まったら買っちゃおうかな。

2009年7月13日月曜日

John Németh / Love Me Tonight


『John Németh / Love Me Tonight』 (Blind Pig Records BPCD-5127)
1. Love Me Tonight
2. Just Like You
3. Fuel For Your Fire
4. Too Good To Be True
5. Daughter Of The Devil
6. My Troubled Mind
7. Where You Been
8. She's My Hearts Desire
9. Love Gone Crazy
10. Country Boy
11. Blues In My Heart

ジョン・ネメスはウェストコーストらしいジャンプ・ブルースやシカゴ、テキサスといったブルースをベースにして、60年代を感じさせるR&Bやソウルも歌ってますが、抜けの良い高音とちょっぴりディープな歌声はソウルフルでかなり上手い。いずれR&B・ソウルアルバムを作るんじゃないかなと思ってましたら、今回のBlind Pigレーベルからの2作目で通算4作目となる最新作で、本当に出してきましたね。シンガーとして一歩踏み出した感じは受けますが、過去の3作を聴いてきて、R&Bやソウルに行くのは自然の流れだろうと思います。
 
まずは、冒頭のロッキン・ソウル。メンフィス・ソウルを想わせるイントロとノリの良いリズム、カッコいいね。曲作りの良さも然る事ながら、アレンジ、バンドアンサンブルやノリも申し分ないね。メンフィス・ソウルをロッキンに演奏するというのが、このアルバムのテーマになってるようですが、(2)もその路線で、これもなかなかバッチグーです。

(3)はグッと抑えたスローなバラードを丁寧に歌い込んでます。何といっても曲がいいね。歌も上手くて、ハーモニカもいい。強みだな。

(4)はこのアルバムの中で一番キャッチーなロッキン・ソウル・サウンドなんですが、僕はこれが大好きなんです。

バラードの(6)、クロマチック・ハープもなかなかシビレる(7)(9)、60年代のソウル(8)では、コーラスなんかモロ60年代でいいな。

(5)(10)(11)はブルースで、比較的ローダウンな(5)が好きですね。下手にドスを効かせることなく、ジョン・ネメス節で歌ってるのが良い。この人は自分の歌を持ってるので、何を歌ってもジョン・ネメスになる。ここが凄いんだな。

このアルバムはビルボードのブルース・チャートで10位まで上ったアルバムですが、十分納得できる内容だと思います。本人もきっと気を良くしてるだろうし、しばらくはこの路線で行くのかな。

2009年7月2日木曜日

Barrelhouse Chuck / 25 Years Of Chicago Blues Piano Vol.4


『Barrelhouse Chuck / 25 Years Of Chicago Blues Piano Vol.4』
1. Live Band Intro - With Wild Child Butler
2. Chicago Bound - Jimmy Rogers
3. Straight From The Shoulder - Johnny B. Moore
4. Tutti Frutti - Blind Robert Hunter
5. I Wonder Why - Billy Flynn
6. Ain't Superstitious - Johnny B. Moore
7. Sad And Evil Woman - Bonnie Lee
8. On My Way To Memphis - Johnny B. Moore
9. Lightnin' - Little Joe Berson
10. Lucille - Blind Robert Hunter
11. West Side Baby - Willie Anderson
12 Looking For A Goldmine - Bonnie Lee
13. Suzie Q - Hip Linkchain
14. Willie's Boogie - Willie Anderson
15. Mamma Told Me - Willie Kent

バレルハウス・チャックは1979年頃からシカゴで活躍している、ブギウギやバレルハウス・ピアノを得意とするブルース・ピアニスト。
6歳でドラムを習得したチャックでしたが、マディ・ウォーターズのアルバムでオーティス・スパンを聴いて、ピアノに転身したそうです。一番尊敬するピアニストはサニーランド・スリムのようで、サニーランドを賞賛するアルバムも作ってましたね。2002年発売の「Prescription for the Blues」はヴィンテージ・スタイルのピアノ・ブルースで、これもなかなか良かったが、やっぱり一番好きなのは2006年の「Got My Eyes on You」だね。リズム隊がマディ・バンドだったカルヴィン・ジョーンズとウィリー・スミス、そして、キム・ウィルソンにエディ・テイラー・ジュニア。これだけでも生唾ゴックンものだわね。

バレルハウス・チャックのシカゴでの活躍の足跡を巡る集大成的アルバム、「25 Years Of Chicago Blues Piano」も第4集が登場しまして、なんかまだまだ続きが出そうな感じがしますが、今回のはライブ集になってます。録音データが記載されてないので、正確な年月は分かりませんが、おそらく80年代の録音だろうと思います。

その場の雰囲気から、それ程大きくないクラブとかジューク・ジョイントのような場所でのライブかなって感じで、いい臨場感がありますね。ヴィンテージなサウンドといい、録音状態の悪さいい、なんか60年代のシカゴ・ブルースを聴いてるような錯覚しちゃいますよ。特にジミー・ロジャースの(2)はたまらんですね。ドラムがハウンド・ドッグ・テイラーの所に居たテッド・ハーヴェイ、サイド・ギターがHip Linkchain(Hip Lankchan)。この組み合わせは凄いな。そのHip Linkchainがフロントに立ってる(13)もめちゃくちゃ気に入ってます。この人はマジック・サムのフォロアー的なサウンドを出す人なんですが、ここではデイル・ホーキンスの超有名曲をデルタ・スタイルの雰囲気でやってます。このイナタいギターと気だるそうなルーズなボーカル、ホンと痺れましたね。