『Elvin Bishop / The Blues Rolls On』 (Delta Groove DGPCD126)
1. The Blues Rolls On
2. Night Time Is The Right Time
3. Yonder's Wall
4. Struttin' My Stuff
5. Keep A Dollar In Your Pocket
6. Who's The Fool
7. Black Gal
8. Oklahoma
9. Come On In This House
10. I Found Out
11. Send You Back To Georgia
12. Honest I Do
B.B.キングやジェイムス・コットンなど、錚々たるゲストを迎えて製作されたエルヴィン・ビショップの最新作です。エルヴィンのアルバムは歪の効いたギターで、ロック色の強いルーツ・ロックというイメージがありますが、このアルバムはブルースやソウルといった色合いの濃いものになってます。
オリジナルのタイトル曲(1)は、ホップなノリでウエストコーストのカラッとしたサウンドが気持ちいいです。エルヴィンの歌は今一だがスライドは年季入ってますね。キム・ウィルソンのハープは流石。
ナッピー・ブラウンの(2)を歌うのは、ウエストコーストのハーピスト&シンガーのジョン・ネメス。他にも(6)(10)で歌ってますが、この人の歌は飛び抜けて上手い。ソウル・シンガーとしても十分やっていける歌唱力だと思います。
エルモアの(3)。歌はロニー・ベイカー・ブルックスで結構上手いんですよね。エルヴィンのスライドから始まるギターソロもトミー・カストロからロニー・ベイカー・ブルックスに回していくライブならではの面白さがいいね。
セルフ・カヴァーの(4)、エルヴィン本領発揮ちゅう曲ですね。ファンキーなノリのリズムはスカッと気持ちいい。後半、デレク・トラックスを含む5人のギタリストが入り乱れてのソロは強烈。
(5)はB.B.キングが参加してのスタジオ・ライブ。エルヴィンの歪みとB.B.のクリーン・トーン。ホント対照的。「B.B.キング、カモン」で入るソロ、鳥肌もので痺れます。
(7)ではクリフトン・シェニエのオールド・ザディコを、R.C. CarrierとAndre Thierryという若手が演奏してます。ヌーヴォー・ザディコのファンキーなノリも好きだが、この古いザディコはブルージーでやっぱいいね。
(8)はロウダウンな歪んだギターによる弾き語りで、ダーティーに演奏してます。(4)と共にエルヴィンを一番感じられる1曲です。
(11)では久方振りのジョージ・ソログッドが登場します。「ギブ・ミー・バック・マイ・ウィッグ」タイプの曲をベースレスで、タイトにロッキン・ブルースしてます。こういう曲は血が騒ぐというか、掛け値なしにカッコいい。
1曲1曲聴いていくとホント良い曲ばかりで、グラミーにノミネートされたのも分かる気がしますが、エルヴィン・ビショップのアルバムという事を考えると、セルフプロデュースはいい仕事しててもミュージシャンとしてはどうかなって思ってしまう。ゲストばかりが目立ってエルヴィンはホント影が薄い。通して聴いてたら誰のアルバムなのか分からんよ。