『Alberta Adams / Detroit Is My Home』 (Eastlawn Records ELD-017)
1. Keep On Keepin' On
2. I'm Worried
3. Hello Little Boy
4. Tired of Being Alone
5. Detroit is My Home
6. Struttin' My Stuff
7. Always Home
8. Wet Clothes
9. Doctor Blues
10. Long Gone
11. I'm On the Move/Every Day
12. Hopin' It Will Be Alright
事ある毎に“Detroit's Queen of the Blues”と称される、ジャンプ・ブルース・シンガーのアルバータ・アダムス。
1920年代生まれ。一説には21年とも22年ともいわれておりますが、最近では17年という説まで出てきてます。これが本当だと、ジョン・リー・フッカーやウォルター・ホートンと同い年ってことになる。え~、そんなお年だったのって感じなのですが、見た目からするとB.B.キングと同じ位じゃないかなと思うんですけど。
それはさておき、30年代後半位からプロのシンガーとして歌い始め、デューク・エリントンやルイ・ジョーダン、ワイノニー・ハリス、T-ボーン・ウォーカーなどとも共演したことがあるそうで、いずれにしても、超ベテラン・シンガーであることに間違いはない。
50年代にはレナード・チェスに認められて、チェスに4曲ですが録音も残しています。実力のあるシンガーなのですが、ソロ・アルバムを出すのは、ず~っと後の1999年になってからなんです。実力を持ちながら録音の機会すら与えて貰えず、消えていったブルース・シンガーは数多くいるといいますから、かなりの遅咲きとはいえ彼女は幸運であったといえます。こういう人達の歌が聴けるのもブルースの醍醐味なんですよね。
今回のアルバムは、通算4作目となる2008年に発売された最新作です。
アルバータ・アダムスを初めて聴いたのは、デトロイトのコンピレーションのライブ・アルバム「Blues From The Heart Vol.3」の中の1曲でした。1997年の録音で、その頃から較べるても声が幾分ガラガラに嗄れてしまってますが、迫力のある図太さは相変わらず凄い。特に、1曲目のバレルハウスの雰囲気を出してるロッキン・ブギなんか、正に打ってつけの1曲で、ノリの良いブギウギ・ピアノと小粋にブラッシングするドラム、それに迫力のあるガラガラのボーカル。最高。冒頭からガツーンとやられました。場末の安酒場で見たら卒倒しそうですよ。
2曲目は一転、ジャジーなバラード。1曲目とは打って変わったジャジーなピアノも印象的だが、それよりも増してアルバータの魂を搾り出すかの如く歌う歌には圧巻。エモーショナルな歌声に感動すら覚えます。
ジャンプ・ブルースの(3)やニューオリンズR&B調の(6)、マンボっぽい(9)も結構好きですね。そして、最後にシークレット・トラックとなってる「Just a Little Bit」。ライブ録音のようだが、これがまた凄まじいド迫力でぶったまげました。90前後とはとても思えません。着包みでも着てるんじゃないかな。