『Amos Garrett / Get Way Back : A Tribute to Percy Mayfield』 (Tom's Cabin WHCY3)
1. My Jug and I
2. Pretty Eyed Baby
3. Stranger in My Own Hometown
4. Never Say Naw
5. The Country
6. To Claim It's Love
7. River's Invitation
8. Fading Love
9. Get Way Back
10. Ha Ha in the Daytime
11. Lost Mind
エイモス・ギャレットを知る切っ掛けとなったのが、ポール・バターフィールズ・ベター・デイズの1stアルバム。ホワイト・ブルース史に燦然と輝くこの歴史的傑作盤で、エイモスのみならず、ボビー・チャールズやジェフ&マリア・マルダーなども知る事となり、ウッドストック・サウンドにのめり込む切っ掛けにもなったのです。ポール・バターフィールドのハーモニカの素晴らしさも然る事ながら、エイモス・ギャレットのギターも負けず劣らず絶品で、特に「プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラブ」での煌びやかに流れるようなギターには惚れ惚れとしたものです。あと、マリア・マルダーの「真夜中のオアシス」はもっと最高の出来で、この曲を聴いてからかな、ソロアルバムを買ったのは。
久しぶりにソロアルバムを引っ張り出して聴いてますが、しかし、なんて気持ちのいいギターを弾く人なんでしょうね。エイモスのギターを“星屑のギター”とよく比喩されますが、これ以上イメージにぴったりの言葉はないです。特徴的なのはチョーキングのタイム感もですが、やっぱりチョーク・ダウンなんですよね。この時の何とも言えない浮遊感、ふわっと漂い流れるような感じはほんと癒されますよ。そして、歌声は渋いバリトン。テレキャスターと帽子がトレードマークで、ダンディという言葉が相応しい。ほんと渋すぎ。
前作の「Acoustic Album」から凡そ4年ぶりとなる新作は、パーシー・メイフィールドのトリビュート・アルバムで、エイモス自身いつかは作りたいと思ってたそうだが、エイモスのサウンドには打ってつけの企画ですね。まず、思ったのは選曲。通好みの渋い選曲ですね。オーティス・ラッシュも「Ain't Enough Comin' In」で演奏した(1)やプレスリーお得意の(3)、ゲイトマウス・ブラウンもやった有名曲(7)なんてのもあるが、あまりカヴァーされることの少ない曲ばかりで、本人が好きな曲を選んだんでしょうが、この辺もクセモノぶりを発揮してますよね。大体、テレキャスター弾きにはクセモノが多い。アルバート・コリンズとかスティーブ・クロッパー、コーネル・デュプリー、キース・リチャーズにウィルコ・ジョンソン。若手ではタブ・ベノワとかね、大好きなんですけど。しかし、今回のアルバムではテレキャスターではなくフルアコを中心に使用してるみたいで、柔らかくマイルドなトーンになってますね。弾きまくりというわけではありませんが、要所要所で円熟味を増したギターを聴かせてくれます。ほんと痺れるんです。歌声は昔程の艶は少々なくなってしまったが、バリトン・ヴォイスに渋みが増して味わい深い。パーシー・メイフィールドということもあり、歌に力を入れた感じは受けます。本当に歌心のあるアルバムで、聴けば聴くほどジワジワっと染みてきましたよ。落ち着きます。
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