『Mitch Kashmar / Live at Labatt』 (Delta Groove DGPCD128)
1. I Got No Reason
2. Dirty Deal
3. Whiskey Drinkin' Woman
4. Evil Man Blues
5. Song For My Father
6. Sugar Sweet
7. You're The One
8. Lollipop Mama
9. Wake Up & Worry
10. Castle Rock
ミッチ・カシュマーは、2005年にDelta Grooveからアルバムを発表して以来、その存在感を発揮してメキメキと頭角を現してきたDelta Grooveの看板ハーピストです。
最近はWARのメンバーとしての活躍も目覚しく、名実共にウェスト・コーストを代表するハーピストになりました。
ミッチの吹くクロマチック・ハープのサウンドは、ウィリアム・クラークを彷彿させるものがあり、ウィリアム・クラークの後継者は、この人しかいないだろうと思います。
このアルバムは2007年8月、カナダで行われたブルース・フェスティバルに出演した時に収録されたライブです。80年代のミッチ・カシュマーのバンド・メンバーがバックを固めており、ばっちり息の合ったサウンドを聴かせてくれますが、注目はやはりウィリアム・クラークのバンドにも居たことのあるギタリスト、ジョン・マークスかな。
まずは1曲目のロッキンなジャンプ・ブルースが最高。クロマチックの素晴らしさも然る事ながら、ジョン・マークスのセンスのいいジャンピンなギターも痺れますね。ハープ・ソロでギターのカッティングが如く、ザクザクと刻むあたりも好き。
(2)、(3)での割りとトラディショナルなシカゴ・ブルースでは、ダイアトニックの生ハープで演奏してます。ネコの鳴き声のように甲高くブロウするのも特徴的です。
(4)は“Evil Gal Blues”。MCでオリジナル・チューンはベシー・スミスみたいな事を言ってましたが、えっ、ダイナ・ワシントンじゃなかったの。どっちでもいいんだが、サウンドはぶりぶりファンキー。(1)と甲乙つけ難いくらいカッコいい。
(5)は意表を突くファンキー・ジャズ。
そして、スタンダードを挟んで取って置きの(8)。ウィリアム・クラークを偲んで演奏された曲ですね。この貫禄はもうベテランの域ですわ。
このような人達が、ごく当たり前のように日本に来て、とびっきりの演奏をしてくれる時がいつか来るだろうか。
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