2010年12月14日火曜日

Genalex Gold Lion KT66

真空管アンプのキットを自作して半年以上経ちましたが、何のトラブルもなく快適に真空管サウンドを満喫しております。自分で言うのもなんですが初めて作ったにしては上出来以上の出来栄えで、サウンドも含め非常に満足してます。

作製したアンプはエレキットから昨年限定発売されたTU-8300というアンプで、300B シングルステレオパワーアンプなのですが、5 極管の3結も可能というスグレモノ。300Bを初め、KT88、6550、KT66、6L6GC、EL34等を改造しなくても挿し替えられるのです。真空管を替えてそれぞれの音を楽しむという、真空管アンプの持つ面白さの一つを十二分に堪能できる訳です。

作製に当たっては出来る範囲で部品も交換しました。抵抗はタクマンのREYオーディオ用金属皮膜、カップリング・コンデンサーは東一のVitamin-Q オイルペーパーに。ハンダはオヤイデ電気の音響専用ハンダSS-47を使いました。とても扱い易くて仕上がりも綺麗で、気に入ってるハンダです。RCAピンケーブルもこのハンダで作ってます。
そして、一番肝心なのが出力トランス。UL接続という改造を施す為には、SGタップ付きのトランスが絶対条件の必須アイテムです。しかし、値段が非常に高いのが痛い。ここは要となる所なので奮発してタンゴのXE-20Sをゲット。これだけでエレキットのTU-879Sが買えちゃうんだから、トホホです。

さて、この半年間、UL接続のGold Lion KT88を只管聴き続けました。標準装備のchina-300Bは低音の厚みもあり、明るく元気な音で悪くないのですが、KT88のほうがより自分の好みの音でした。しかもUL接続が良い。3結は、透き通るような高音とはこのような音のことかと、感動的に綺麗な音を出しますが、これはクラシック向きという気がします。やはり、メリハリの利いたダイナミックな音のUL接続がブルースやジャズには合ってますね。

Gold Lion KT88は十分に聴き込んで慣れてしまったので、そろそろ次の真空管を試してみたくなりました。選んだのはKT66。KT88との違いが知りたかったので、同じメーカーのロシア製Gold Lionを購入しました。


左がKT88、右がKT66です。両方ともとても綺麗でカッコいい真空管ですね。
スタイル的には派手めのKT88、渋めのKT66という感じですが、KT66のほうが胴回りが幾分細く、ノッポになってます。こういう形状の差って音に影響するのだろうか?6L6GCにはストレート管でも細めの管や太めの管、それからダルマ管もあるしね。音に影響ありそうな感じはするのだが、どうなんでしょうね。
先は長い、ボチボチとやっていこうかな。


Gold Lion KT66を愛機TU-8300にセットしてみました。
システムは相変わらず

CDプレーヤー : DENON DCD-1650AR
真空管アンプ : TU-8300
スピーカー : JBL 4312D
RCAケーブル : Belden 8412
SPケーブル : Belden 8460

KT88とKT66、音の傾向はよく似てるし、明らかな音の差は感じられないな。微妙な差だね。KT88は余韻の残る艶やか高音の響きと迫力の中低音で、割とゴージャス感のあるサウンド。KT66はそれを若干大人しくタイトにした感じで、KT88と比べるとナチュラル感があるかな。要するに極論から言っちゃえば、見た目通りってことだ。


いずれにしても、KT88もKT66も素晴らしくいい音がすることに間違いない。
ギターやウッド・ベースの音、ハーモニカ、ピアノ、サックスにトランペット、ドラムのブラッシング。真空管はどうしてこうも惚れ惚れとする音が出るんでしょうね。
音の立体感というのかな。音が目の前にバッと迫ってくる感じには圧倒されます。
それとボリュームを絞っても低音が死なないのが良い。バランスが壊れないんですよね。スピーカーは大きい音を出さないとその真価を発揮しないと、よく見聞きしますが、それは違うと思う。

そして、真空管アンプの良さは、何と言っても真空管を差し替えられるというお楽しみがある事。次は6L6GCにするか、EL34、6550、ヴィンテージ物も1セットは欲しいし、難題の300Bも控えてる。さて、どれにしようか。

2 件のコメント:

  1. ミチローさん
    こんばんわ。
    最初に手に入れたクウォード2モノラルブロックKT66シングルパワーアンプはプリが22と云うアンプでレコードレーベルに合わせてイコライザーカーブを変更するスイッチがついておりました。時代がステレオ化した時にモノ・プリをステレオ版にしたものでした。古いブリティッシュ・サウンドらしく優雅でどこまでも丸いトーンでしたね。やはりイギリスは世界一クラシック音楽を聴く風土が反映されたものでしょう。デッカ・ステレオ・デコラの標準装備アンプでした。
    ビリー・ホリデーやサラ・ヴォーンの声の艶やかさは鳥肌が立つほどの生暖かいエネルギー感が忘れられません。次回の球はKT77は如何?
    EL34また6CA7との互換球です。Tecsolで調べたら今のと同じブランドのマッチドペア13650円でした。他の球もついでにしらべましたよ。
    6550Tungsol復刻版マッチドペア10920円、6L6GCシルバニア1本7350円、EL34マラードのユーズド・シングルゲッター17850円。レア・ダブルゲッター21000円ナドナド・・・EL34と云えばマランツ・モデル8Bかなギターヘッドアンプのマーシャルも典型ですな。丹精な音のイメージですね。6L6GCはフェンダーのイメージが強いです。アメリカの古いアンプに多いですよね。6V6GTは差し替えられるのでしょうか?聴いてみたい球です。実は今日オークションで1964年製のマイク&レコード・ミキシング・オール・チューブ・アンプが届きました。幻のビッグ・ウォルター・ハープ・マイクが手に入りましてカスタム出来立てを繋げたところ10Wアンプらしからず凄い生々しい息吹音が再現されて手持ちの石のギターアンプでは太刀打ち出来ないトーンでしたよ。

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  2. ジャンゴさん、こんばんは
    以前、電圧増幅管12AT7のムラードとフィリップス(中味はシルバニアかな)を聴き比べた時、カラッと明るい元気なフィリップス、艶があって色っぽい優雅なムラードというイメージでした。色々聴いてみないと断定は出来ないでしょうけれど、アメリカとヨーロッパ、総体的に音の傾向はこんな感じかなと思っております。お国柄の雰囲気が良く出てて、何れも捨て難い魅力がありますね。個人的にはムラードが好きで、結構高価な12AT7を未だに常用してます。しかし、聴いてる音楽はご存知、ばりばりのアメリカン・サウンドなのですが、、、いずれ、GEやテレフンケンも聴いてみたいものです。

    さて、出力管ですが、KT88、KT66はゴールド・ライオンで攻めたので、次は他メーカーの物をと思ってます。今は、GEの6L6GCを海外のサイトで探し回っております。なかなか、これっという物がないです。
    あとは、ご指摘のTung-Sol6550ですね。これはいずれ必ず買います。常用管になるんじゃないかなと期待してる球です。
    6L6GCはずんぐりむっくりのTung-SolかWinged "C"を狙ってます。Winged "C"は凄く気になってるメーカーで、何か1セット欲しいです。高いけどKT88も良さそう。

    他にも色々と尽きないのですが、実は既に次の球は入手済みでして、今はもうアンプに挿して聴き込んでおります。大した結果報告は出来ませんが、乞うご期待ということで、、、

    TU-8300はip調整範囲が50~80mAなので、6V6GTのような小電流管は基本的に挿せません。抵抗を入れて35mAまで落としてやれば挿せるそうです。しかし、やり方は分りません。

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