2007年2月5日月曜日

The Holmes Brothers / State of Grace


『The Holmes Brothers / State of Grace』 (Alligator ALCD-4912)
1) smiling face hiding a weeping heart
2) close the door
3) what’s so funny ‘bout peace, love and understanding?
4) gasoline drawers
5) i can’t help it if i’m still in love with you
6) bad moon rising
7) three gray walls
8) if i had a boat
9) those memories of you
10) i want you to want me
11) ain’t it funny what a fool will do
12) standing in the need of love
13) i’ve just seen the rock of ages
14) god will

ホルムズ・ブラザーズはベースのシャーマンとギターのウェンデルのホルムズ兄弟、それにドラムのポップシー・ディクソンのトリオバンドで、3人共ソロヴォーカルを執りますが、その歌は抜群に素晴らしいんですよ。ホルムズ兄弟は声が太く、深みがあり説得力があります。かたやポップシーのファルセットは、非常に透明感があり感動させられます。それでもって、この3人衆のハーモニーとなると絶妙に調和がとれてて、ずるずると引き込まれるんですね。ホルムズ兄弟はジミー・リードやジュニア・パーカー、BBなどを聴いて育ったということで、根底にはブルースがあるのですが、教会でも歌ってたそうですから、ゴスペルの影響も多大なんですね。で、ブルースとゴスペルを土台に、ソウルやカントリー、今回のアルバムではケイジャンまでやっております。ただ、ローダウンなブルースが少なくなったのは残念かな。ゲイトマウスは古典的なブルースマンと思われたくないからいろんな曲をやると言っておられたが、この人達もそうなのかもしれませんね。

今回の新作では、1)2)4)12)がオリジナルで、ブルース寄りではあるのですが、比較的ソフトな曲調になってます。1)はクラプトンがやりそうな曲だな。ギターもクラプトンぽいフレーズが出てきたりします。2)は割りとダウンホームな曲で、アコギとマンドリンの絡みが印象的でいいです。このアルバムの中で一番ブルージーなのが12)ですね。ウェンデルのギターが唸ってます。カヴァーは有名な所で、3)はニック・ロウ作でコステロが有名ですね。最近、ケブ・モもカヴァーしてましたが、ホルムズは抜群の歌唱力で歌い上げており、原曲を完全に凌駕してますね。6)ではCCRの曲を見事にケイジャンバージョンに仕立ててます。ついつい体が動き出したくなるような明るいノリの曲です。ライヴだったら踊って騒いで楽しめますね。うーライヴ見たい!10)はチープ・トリックの曲を取り上げてて、ちょっぴり驚きなのですが、ここでは3人共楽器を置いて、歌に専念してます。ピアノの伴奏で、ゴスペルフィーリング溢れるハーモニーはとても素晴らしく感動ものです。ピアノも涙腺に響いてきますよ。7)ではポップシーがドラムをレヴォン・ヘルムに預けて、ソロヴォーカルを執りますが、マイルドでソウルフルな歌声は本当にいいです。2コーラス目のファルセットはゾゾーっと鳥肌が立ちました。ラリー・キャンベルのペダルスティールも、いい感じで絡んでくるのでもうたまりませんね。レヴォン・ヘルムは13)で歌声を披露してくれてます。ジョーン・オズボーンが歌で参加してる9)もニューオーリンズ臭が漂ってて、捨てがたい魅力があります。と、だらだらと書いてしまいましたが、ここにはアメリカン・ルーツ・ミュージックでいっぱいです。ブラックミュージックファンに限らず、すべての音楽ファンに聴いて頂きたいアルバムです。

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