『Washboard Willie / Motor Town Boogie』 (P-Vine PCD-23894)
1) C.C. Rider
2) Move After Hours
3) Summit Ridge Drive
4) Dupree Blues
5) Struttin' That Stuff
6) 10-20 Special
7) Calvin's Blues
8) Shake Your Moneymaker
9) No Name Blues
10) Fool On A Mule
ウォッシュボード・ウィリーはデトロイトで活躍してたウォッシュボード奏者で、このアルバムは56年から64年に録音された曲をまとめられたものです。
デトロイトはご存知のように自動車工場の町ですから、いろんな所から人が集まって来る。だからだろうか、多様なスタイルのブルースを聴くことができる。一つの枠で形容できないのもデトロイト・ブルースの特徴の一つであり、却ってそこに面白さを感じるところでもあると思います。それは、過去に限った事ではなく、最近のコンピを聴いてみても、いろんなバンドがいるもんだなとつくづく思います。
それで、ウォッシュボード・ウィリーですが、1909年にアラバマ州ラッセル郡で生まれコロンバスで育ち、48年にはデトロイトに移って来たそうです。ウィリーの最大の特徴はウォッシュボードを演奏することで、ザディコやケイジャンでは無くてはならない程ごく一般的なこの楽器も、ブルースでとなるとあまりにも馴染みが薄く、特異な存在にも見えますよね。しかも、バスドラとかスネア、シンバルまで自分で演奏してたそうですから面白い。ウォッシュボード掻き鳴らしながらバスドラを刻む姿を映像で見てみたいものですね。
そんなウィリーが醸し出すサウンドは本当にアーシーで、1)や4)ではルイジアナ・ブルースの雰囲気が漂うダウンホームな音で、このゆるさ加減はたまんないですね。歌声もおおらかで、もさっとした感じが良くて、なんか落ち着くな。と思いきや5)はノリの良いブギウギで、ブギ・ウギ・レッドの良く転がるピアノとリズミカルなウォッシュボードの絡みは最高なのですが、後半あれっと思ったら、ウォッシュボードを止めてスネアをパコパコ叩いてるんですから面白いですね。6)でもそうですが一曲の中で、ウォッシュボードとタイコをとっかえひっかえ忙しなくやってるんですよね。益々映像が見たくなります。そして、7)や9)ではカルヴィン・フレイザーのダウンホームなんだけどモダンなギターが冴えてていいです。8)は歌は語り、リズムはアフリカン。これもなかなか楽しい曲です。最近はこればかり聴いてたのですが、ちっとも聴き飽きないですね。
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