『Joe Louis Walker / Between A Rock And The Blues』 (Stony Plain SPCD-1345)
1. I'm Tide
2. Eyes Like a Cat
3. Black Widow Spider
4. If There's a Heaven
5. Way Too Expensive
6. I've Been Down
7. Prisoner of Misery
8. Hallways
9. Tell Me Why
10. Blackjack
11. Big Fine Woman
12. Send You Back
2009年にリリースされた今回のアルバムはプロデュースがデューク・ロビラードで、バックもデューク・ロビラードのバンドが全面的に参加してる。今までジョー・ルイス・ウォーカーをあまり聴いてこなかった自分でも、ちょっと気になる1枚でした。
アルバムタイトルから連想されるイメージはブルース・ロックで、コアなヴィンテージ・ファンは拒否反応を示されるサウンドだろうかな。
確かに1曲目なんかはハードなブルース・ロックだけれども、結構カッコよいぞ。ギターはいつものペキペキではなく、レスポール系のファット&サスティーンで弾き捲くる。しかし、カッコいいのはそこではなく、ギターのリフと歌に尽きる。リズムはタイトでこんだけカッコいいのだから、ソロがもう少しどうにかならないものかと思うのだが、その辺はやはりライブのほうがもう一段カッコいいね。
このままブルース・ロックで押し捲るかと思いきや、2曲目はなんとジャンプ・ブルースで、おーっと唸ってしまった。この曲はLittle Charlie & the Nightcats がやってた曲だが、サウンドはゲイトマウス・ブラウンのジャンプ・ブルースに近い。バンドの纏まりもノリもとてもいいね。よく転がるピアノにイナタいトロンボーン、そして特にいいのがジョー・ルイスの切れの良いペキペキギターで、ゲイトマウスのフレーズが出てきたりして兎に角楽しい。
ジャンプ・ブルースは他に(5)でもやってるが、こちらはB.B.キングっぽいジャンプ・ブルースで、アフター・ビートの効いたリズムが印象的。ギターは渋めに決めてます。
(3)(8)(10)はサザン・ソウル。マッスルショールズやフェイムを彷彿とさせる(3)、レイ・チャールズの(10)は特にいい。ジョー・ルイスはギターだけではなく歌も上手い。正にサザン・ソウル・シンガーそのもので、クラレンス・カーター辺りを思わせるくらいディープ。
(4)(6)(11)はサザン・ロック風。その中でも(6)がカッコいい。(11)は"Big Leg Woman"のリメイクで、ワウを噛ませサスティーンを効かせたギター・サウンドは、やはりサザン・ロックしてますね。
デューク・ロビラード作の(9)はスライド・ギターを導入したシャッフル・ナンバー。(12)はシュガー・レイ・ノルシアのハーモニカとジョー・ルイスのアコギのコラボによるスロー・ブルース。ハーモニカの哀愁を帯びた音色、染み入るね。
それぞれの曲がそれぞれ違ったテイストを持ってて、ギターも曲調に合わせて巧みに弾き分けております。ヘタこくとアンバランスなアルバムに終わってしまうのですが、そこはデューク・ロビラードのプロデュース力でキッチリ纏められてます。