2008年1月21日月曜日

Nick Moss & The Flip Tops / Play It 'Til Tomorrow


『Nick Moss & The Flip Tops / Play It 'Til Tomorrow』 (Blue Bella BB 1008)
Disc: 1
1) Late Night Saint
2) You Make Me So Angry
3) Woman Don't Lie
4) Mistakes From the Past
5) Bad Avenue
6) Lyin' For Profit
7) Herman's Holler
8) Grease Fire
9) Rising Wind
10) Tend To Your Business
11) My Love Is Like a Fire
12) Peculiar Feelings
13) Too Many Miles
14) The Rump Bump
15)
Disc: 2
1) You've Got the Devil Inside
2) I'll Be Straight With You
3) Another Life Is Gone
4) Fill 'er Up
5) It's Written In the Bible
6) Wild Imagination
7) You'll Remember My Name
8) Crazy Mixed Up Baby '07
9) Got My Mail Today
10) I Shall Not Be Moved
11) Slim's Lament
12) Married Woman Blues
13) I'll Be Straight With You
14) It's Written In the Bible

ニック・モスはシカゴを拠点に活動するギタリスト&シンガー、たまにハーモニカも吹きます。
ベーシストとして音楽活動をし始め、18歳でバディ・スコットのバンドに加入してます。
20歳でジミー・ドーキンスのツアーに参加した後、レジェンダリー・ブルース・バンドにカルヴィン"ファズ"ジョーンズの後釜として加入、93年の「Money Talks」に参加してます。これが多分ニック・モスの初レコーディングだと思います。

その後、ギターに転身してジミー・ロジャース・バンドのセカンド・ギタリストを務めるんですね。レコーディングには参加していないようですが、一緒にやってたというだけでもやっぱ凄いわ。

ウィリー"ビッグ・アイ"スミスの95年発売の「Bag Full of Blues」でギター弾いた後、自分のバンド"Nick Moss & The Flip Tops"を結成し、99年に「First Offense」でデビューということになります。

オールドのギターとオールドのチューブ・アンプの組み合わせによる、心地よい感じに歪んだファットなギター・トーンが特徴的で、ブルース・フィーリング溢れるカッコいいギタリストです。

ヴィンテージなシカゴ・ブルースは結構ダウン・ホームなサウンドだったりしますが、R&Bやロッキンなブルース、ジャジーなジャンプ・ブルースでは、ウエストコースト・サウンドの雰囲気があって、当初てっきり西海岸の人とばかり思ってたんですね。

また、デビュー・アルバムから一貫してオリジナル曲中心の構成で、コンスタントにアルバムを発表できるのも作詞作曲できる人の強みでしょうかね。

2006年に5作目にして初のライヴ・アルバム「Live at Chan's」を発表したのですが、ニック・モスのアルバムの中では一番好きなアルバムで、これ程までにエモーショナルなギターを弾く人だったのかと改めて惚れ直した、ほんと傑作ライヴ・アルバムでした。

それに続き2007年に発表したのが、通算6作目となる今回の新譜です。しかも、2枚組みという大作で、勢いとどまるところ知らずちゅう感じですよ。

Disc:1では基本的な路線は固持してるのですが、いつになくロック色の強い曲が満載で、1曲目、エディ・テイラー・ジュニアのリフから始まるロックンロール・ナンバー。ノリノリにドライヴしててガツーんと来ましたね。バンド・アンサンブルもお決まりのパターンなのですがこれがカッコいいんです。

お次もアップテンポのR&Rナンバーで、エディ・テイラー・ジュニアのクリーン・トーンのソロもなかなかですが、やはりニックのオーヴァー・ドライヴしたファットなギターが痺れますな。

フロイド・ジョーンズ作の(9)では、ニックがハープ、エディがギターを担当。こういうヴィンテージなシカゴ・ブルースの時のエディのギターはやはり渋い。いたるところで引っ張りだこなのも分かるな。親父さんみたいに最高のサイド・マンになってくれそう。ニックのハープも図太い味のある音を出してます。

(8)のファンキーなギター・インスト曲や(14)のキレのよいリフが気持ちいいインスト曲もめちゃくちゃカッコいい。はじけちゃってます。

全編通して聴くとニック・モスもロック世代だったんだと感じます。変な捻りなど無く、豪快にど真ん中ストレート勝負ちゅう感じがとても気持ち良くて好きだなぁ。

かたやDisc:2では、1、2曲目こそウエストコーストの連中がやるようなノリのシカゴ・ブルースだけれど、あとは思いっきり古典的なシカゴ・ブルースをやってます。

ニックはエレキからアコーステック・ギターに持ち替え、バンドはベースレスにして間を活かした、50年代のチェス・サウンドのような音作りしてます。

差し詰め(3)は「ロング・ディスタンス・コール」、(5)は「ローリン・ストーン」ちゅう感じかな。ためて引きずるようなサウンドで、あたかもマディが歌い出しそうだが当然歌ってるのはニック・モスです(笑)。

他に、アコギでのアンプラグド・セッションみたいなのも何曲かやってまして、これもこれまでにない取り組み。マンドリンを取り入れたカントリー調の(10)は特に面白かった。(14)ではアコギとハープによるもろカントリー・ブルース。無理してダウン・ホームにやろうとはせず、肩の力抜いて自然体でやってるのが好感持てます。

1枚目はエレクトロニックでバリバリに、2枚目はアコーステックでナチュラルにと両極端で結構楽しめます。どちらも1枚の独立したアルバムにしていい位、質が高くて濃い内容になってます。

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