2008年1月30日水曜日

Phantom Blues Band / Footprints


『Phantom Blues Band / Footprints』 (Delta Groove DGPCD119)
1. Look At Granny Run
2. See See Baby
3. Leave Home Girl
4. Cottage For Sale
5. Fried Chicken
6. Barnyard Blues
7. Your Heartaches Are Over
8. My Wife Can't Cook
9. When Malindy Sings
10. Chills And Fever
11. A Very Blue Day
12. A Fool For You
13. When The Music Changes

ファントム・ブルース・バンドのメンバーは、元々テキサスとかロサンゼルスを中心に活動するベテランのスタジオ・ミュージシャンなんですね。

Tony Braunagel: drums
Larry Fulcher: bass & vocals (3, 7, 9, 13)
Darrell Leonard: trumpet
Denny Freeman: guitar
Mike Finnigan: keyboards & vocals (1, 4, 6, 10, 12)
Joe Sublett: sax
Johnny Lee Schell: guitar & vocals (2, 5, 8, 11)

個々のメンバーの経歴を見てみると、錚々たるアーティストのサポートを務めておりまして、B.B.キング、フレディ・キング、アルバート・コリンズ、バディ・ガイ、オーティス・ラッシュなどのブルース・マスターはもとより、ジミヘンやストーンズ、ボブ・ディランなどのロック・スターまで。そして、忘れてならないのがタジ・マハールの所での活躍ぶりですよね。「Senor Blues」と「Shoutin' in Key」で2度のグラミー賞受賞、2001年にはW.C.ハンディ・ブルース・アワードのバンド・オブ・ジ・イヤー受賞という、まさに凄腕プレーヤー集団なのであります。これだけでも食欲わいてきたでしょ。

2006年のデルタ・グルーヴからのデビュー作「Out Of The Shadows」に続き、この「Footprints」が2007年発表の新作アルバムになります。

このアルバムの中で一番気に入ってるのがハワード・テイトの(1)で、のっけから最高にカッコいい。スタックスかマッスルショールズのウィルソン・ピケットかってな具合のノリで、マイク・フィニガンの歌はディープでかなり上手いし、ジョニー・リー・シェルのロバート・ウォードを思わせるギターもたまらんです。ホーン・セクションも最高で、例えばお決まりの”パーパッ”って入るオブリガート、く~痺れる。

フレディ・キングの(2)はコンテンポラリーな仕上りのブルースで、ジョニー・リー・シェルのブルージーなギターが良い。

(3)はシル・ジョンスンの「'Bout to Make Me Leave Home」。ハイ・サウンドを凌駕する程のファンキーなリズムで、ラリー・ファルチャーのソウルフルで艶のあるボーカルもなかなか上手い。

(5)もハイ・サウンドのルーファス・トーマスだね。元祖ファンキー親父のお株を奪っちゃうくらいファンキーなノリが最高に楽しい。ギターもちゃ~んとチキンしてます。

ナット・キング・コールのスタンダード・ナンバー(4)、オリジナルのシャッフルのブルース(6)、50年代のドゥー・ワップやオールディーズの雰囲気を持つ(8)、アコギによるスライドとアフリカンなリズムを伴ったカントリーなブルースで摩訶不思議なサウンドが魅力の(9)、ジャズ・ファンク的な(11)、レイ・チャールズのバラード(12)、スカというかレゲエというか、ケイジャンにも通ずるようなカリビアンなリズムが楽しい(12)など。前作同様バラエティに富んだ選曲だが、どの曲もファントム・ブルース・バンドのカラーがしっかり出てて、芯がぶれないちゅうのは流石に百戦錬磨のツワモノの集まりだなと感じさせられる所です。古くもあり新しくもある、温故知新なサウンド。これ聴いてたらホッピーのお代わり3本はいけちゃうね。

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