2011年6月7日火曜日

Motor City Josh & The Big 3 / It's A Good Life


『Motor City Josh & The Big 3 / It's A Good Life』 (FordCo Music)
1. Let It Roll
2. It's a Good Life
3. It's Just Another Rainy Day
4. All Roads
5. Lola Jeanne
6. Big Girl Part 1
7. I Hung My Head (Sting)
8. Cakewalk Into Town (Taj Mahal)
9. I'm Tryin'
10. Lucky Mutha Foya
11. Hula Hoop Champion
12. ATL Family 2010
13. Pawn Shop Blues
14. Crazy Love
15. Big Girl Part 2

Josh Ford - guitar & vocals
Johnny Rhoades - guitar
Alex Lyon - bass
Eric Savage - drums
and many more...


モーター・シティ・ジョシュが2010年にリリースした通算12枚目のアルバムです。
前作はハウリン・ウルフのトリビュートという事で、どっぷりブルースに浸かったアルバムでしたが、今回はアーバンな雰囲気のサザン・ロックが主体となっております。

冒頭1曲目はレイドバックしたスライド・ギターが特に印象的なミディアム・テンポのサザン・ロックだが、オールマン・ブラザーズ・バンドの、中でも取り分け「Brothers And Sisters」辺りを思わせるサウンドだ。この頃のオールマンズはディッキー・ベッツのルーツでもあるカントリー・サウンドを取り入れ、更に豊かな音楽性を発揮した頃ですね。
モーター・シティ・ジョシュもカントリーをルーツとしている側面も持っており、このアルバムでもカントリー・フレーバーを随所に取り入れてて、共通する部分も感じられるところです。
そういえば以前、「Jessica」をカヴァーしてましたしやっぱり好きなのでしょうね。

改めて収録曲を眺めてみると、(7)(8)以外はオリジナルで、特にジョシュ夫人のStacia Ford との共作が目に付きますが、20年来の友人Chuck Lyon 等との共作はいつも通り。元々コンポーザーとしても評価の高いジョシュ、このアルバムでの全15曲、ひいき目なしにどの曲も素晴らしい出来ですね。

ジョシュはブルースだけに拘らず、これまでに色んな音楽を聴いてきたのだろうなって気がします。それらが血となり肉となって、あの独特のモーター・シティ・ジョシュ・サウンドを構築してる。とは言え、スティングの(7)はやはり意外な選曲ではないかと思います。しかしながら、きっちりジョシュ・サウンドに仕立て上げるアレンジの巧みさは流石。曲の継ぎ目に、ルー・リードの「Walk on the Wild Side」のフレーズをサラッと入れてる所なんか、あまりにも嵌り過ぎでニクイ演出。ルー・リード大好きな自分にはゾクッとくる一瞬でした。後半のツイン・リードによるギター・ソロは、サザン・ロック好きにもたまらんギターの音色ではないでしょうか。それにしても、ジョシュのテレキャスターはいい音で鳴ってますよ。

もう一つのカヴァー曲(8)は、タジ・マハールの70年代の曲ですね。ジョシュはチューバではなくウォッシュボードをリズムのアクセントとし、ピアノも導入して南部色豊かなスワンプ・ブルースに仕立ててます。ジョシュのボーカルもかなり黒いのが特徴なもので、このアルバムの中では特に土臭いサウンドでなかなかいい感じですね。

オリジナルではプロモーション・ビデオまで製作した(6)、最もジョシュらしいと言えばジョシュらしいファンク・ブルース・ナンバーです。兎に角、このノリは最高で、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の超有名なリフを思いっきりやっちゃって、遊び心満点。
パート2の(15)はカントリー・バージョンか思いきや、パート1以上にファンキーになっちゃう。ギターの切れの良いバッキングとタイトなリズム、カッコいいですね。こちらでは「スモーク・オン・ザ・ウォーター」だけでは飽き足らず、クリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」、ガンズ・アンド・ローゼズ(曲名は知らない)、「サティスファクション」にエアロスミスの「ウォーク・ディス・ウェイ」。ライブだと延々とやっちゃうかもよ。相変わらず面白い人だね。

モーター・シティ・ジョシュは年間300本のライブをこなすツワモノのライブ・バンドで、演奏能力が高いのは言うまでもなく、エンターテイナーという部分でも凄く考慮されたライブを行っています。ライブ・アルバムを聴いただけでもその面白さは実感できるところで、何れ観てみたいブルース・バンドの一つなのですが、現状では残念ながら日本に来ることはまずないでしょう。それならば、DVDだけでも発売してくれないかなと前々から思っていたところ、最近漸くしかも立て続けに2本のライブDVDを発売しました。その内の1本が何と、2003年リリースのライブ・アルバム「Live From The Road」のDVD化。へぇ~このライブ、カメラ回してたんですね。もう1本はごく最近の現メンバーになってからのライブのようです。モーター・シティ・ジョシュは兎に角ライブです。楽しみですね。

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