2007年3月16日金曜日

Ruthie Foster / The Phenomenal Ruthie Foster


『Ruthie Foster / The Phenomenal Ruthie Foster』 (Blue Corn Music BCM-0602)
1) Cuz I'm Here
2) Heal Yourself
3) Fruits of my Labor
4) People Grinnin' in Your Face
5) Up Above My Head (I Hear Music in the Air)
6) Harder Than the Fall
7) Beaver Creek Blues
8) Mama Said
9) Phenomenal Woman
10) A Friend Like You
11) I Don't Know What to do With My Heart

テキサス出身のシンガーソングライター、ルーシー・フォスターの通算5枚目となる新作です。1stアルバムは残念ながら聴いたことがないのですが、2作目ではゴスペル、ソウル、カントリーといったアメリカンルーツミュージックを、自身のアコースティック・ギターとシンプルなパーカッションだけの伴奏で、ソウルフル且つ力強く歌っておりました。続く3作目ではバンドを導入し、さらにハーモニカ、ハモンドB3、マンドリン、アコーディオン等を入れ、色彩豊かなサウンドに進化を遂げました。と言いつつも、4作目のライヴアルバムでは、2作目のようなフォーキーなサウンドを披露してくれて、ルーシーはやっぱりこうでなくては、と思われた方も多いんじゃないでしょうか。僕は3作目が大好きなのですが。

そして、新作となる5作目は更に進化を遂げております。それは、1曲目を聴くと、「えっ」と思うのですが、今まで歌と共に前面に出てた、あのアコギを弾いてないのです。ルーシーとアコギは切っても切れない関係にあるというのにです。しかも、歌はいつになくとてもソウル(歌い方がとてもカッコいい)、サウンドも然り。アルバム全体的にそうなのです。アコギは何曲かで弾いてますが、とても控えめ。

このアルバムは歌に重点を置き、歌に拘りソウルに拘った "Ruthie Foster The Soul Album" と言っていいと思います。

そんな中にあって、異色?を放っているのが2)と7)。共にオリジナルですが、音がファンキーなのです。ルーシーとファンキー、結びつかない。2)では、フェードインしてくるアフタービートの効いたドラムとファンキーなリフを刻むハモンドB3、ブレイクの後も、ひぇ~痺れる~という感じで、メチャクチャカッコいい。それにアレサ・フランクリンを彷彿とさせるルーシーの歌も痺れるんです。これは最高です。正にファンキーソウル。7)もポイントはアフタービートの効いたドラム。それにブルージーなアコギとブルージーな歌。たまらないです。ルーシーのブルージーな歌、見事です。こちらはファンクブルースてところですね。こんなラテンの香りがプンプンする曲を仕掛けたのは、プロデューサーのパパ・マリ、その人に他ならないでしょう。

その他では、ルシンダ・ウィリアムスの3)は原曲を良く知らないのですが、確かカントリーの人だったと思います。ルーシーはソウルチューンとして見事に歌い上げてます。涙腺に響いてきますね。サン・ハウスの4)は手拍子でのアカペラ。力強い声で、バックコーラスとのハーモニーも素晴らしいゴスペルソングです。5)はシスター・ロゼッタ・サープの曲。何年か前、ロゼッタ・サープのトリビュートアルバムでマリア・マルダーが歌ってましたが、アップテンポでブルージーな曲をここでもソウルフルに仕上げてます。うまく嵌ってます。オリジナルの6)は3枚目のアルバムに入ってそうな曲。ふわっとした暖かい雰囲気で心温まるな。アコギの音も気持ちがいい。8)もオリジナルで、ちょぴりリズムの重たいスローな曲。素朴なハープとストリングスの音に惹かれました。後の9)10)11)はすべてバラードで、10)はエリック・ビブ作。11)はオリジナルです。楽曲自体もとても素晴らしく、ルーシーは感情豊かにしっとりと歌い上げております。感動しました。
このアルバムは本当に"Phenomenal"です。気が早いですが、次のアルバムが楽しみになりました。

「Ruthie Foster / Full Circle」 (1997)

「Ruthie Foster / Crossover」 (1999)

「Ruthie Foster / Runaway Soul」 (2002)

「Ruthie Foster / Stages」 (2004)

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