『Sven Zetterberg / Hollerin' Up A Storm』 (Border Music BLCD29)
1. Jukejoint
2. Too Old For The City
3. Ain't No Hurry To Go Home
4. Hollerin' Up A Storm
5. Middle Ground
6. The Shoeshine
7. Close Talker
8. Why Don't You Like Your Job
9. Fallin' Apart
10. Parade Square Jamboree
11. Gonna Get Smart
12. Mr. Clean's Got A Dirty Mind
13. Such Behavior Won't Do
スウェーデンは以前、世界第3位の音楽輸出大国と言われたこともあり、元々音楽の盛んなお国柄なのであるが、取り分けブルースに関してもその例外ではないようです。
スウェーデンのブルース雑誌「ジェファーソン」に掲載されてるバンドは300近い。総人口が約900万人であることを考えると、如何にブルース人口密度が高いかが分かりますよね。とても気になって仕方がない国なのであります。
スウェーデンのブルースマンで一番有名なのは、マジック・サムの「ウェスト・サイド・ソウル」に参加していたピアニスト、ストックホルム・スリムであろうかと思われますが、そのストックホルム・スリムの教え子に当たる人物が、現在のスウェディッシュ・ブルース界最強の一人と数えられるスヴェン・ツェッターバーグなんですね。
スヴェン・ツェッターバーグはギタリストでもあり、ボーカリストでもあり、ハーピストでもあるわけですが、そのどれもが傑出した才能を持ち合わせている。
サウンドは根本的にシカゴ・ブルースとサザン・ソウルが好きな人のようですが、近年のソロアルバムでは、60年代のR&Bやソウルといった色合いの濃いアルバムを立て続けに出して、歌を歌うという事に情熱を注いでいたように思われました。
で、今回の最新アルバムでは、「HARMONICA SESSIONS」と書いてあるように、スヴェンのブルース・ハープが十二分に堪能できるアルバムになりました。ウォルター・ホートンのトリビュート・アルバム「Horton's Briefcase」でそのハーモニカにすっかり魅了されてしまった自分としては、いつかはハーモニカ・アルバムをと期待してたので、正に願ったり叶ったりという訳ですね。
60年代を彷彿させるジャケット同様に、サウンドも60年代のヴィンテージなシカゴ・ブルースが満載だが、時折ウエスト・コーストぽい雰囲気も感じられる。これはノックアウト・グレッグ&ブルー・ウェザーのギタリスト、アンダース・ローウエンの参加に由るところが大きいかなと思う。スヴェンに負けず劣らずの巧みなギタリストで、ジャジー且つスウィンギー、そしてブルージーなギターを弾く。スウェディッシュ・ブルースの中でもトップクラスのギタリストだろうと思いますね。
略全曲オリジナルで、1曲目からジョニー・シャインズがウォルター・ホートンと一緒に演奏した「イブニング・サン」を彷彿とさせるノリの良いアップテンポのシガゴ・ブルース。スヴェンの太くてブルース・フィーリング溢れるハーモニカとボーカルはホント上手い。この手の曲では、ハープ・インストの(6)もハープやバンドのノリ共に最高でたまらんです。(7)はサニー・ボーイ・ウィリアムソンの「ダウン・アンド・アウト・ブルース」辺りを感じさせるサウンド、これも好きだな。(9)ではどっしりとしたミディアム・シャッフルのブルース。そして、(10)は一転して、アンダース・ローウエンのT-ボーンばりのスウィンギーなギターが冴えるジャンプ・ブルースだ。スウェーデンのブルース・バンドは、テキサス・ウエストコースト系のジャンプ・ブルースを演奏する人達が比較的多いように思います。好きなんでしょうね。僕も好きなんですが。
ホントにクオリティの高い最高のアルバムです。
あとは、スウェーデンやその他北欧産のブルースアルバムが、容易に入手出来るようになれば言う事ないんですけれど。
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