2011年4月7日木曜日

Big Daddy ‘O’ / Used Blues


『Big Daddy ‘O’ / Used Blues』 (Rabadash RAB-033)
1. Life is Hard (Fred James)
2. Better off with the Blues (Delbert McClinton)
3. Soul fixin Man (Luther Allison)
4. Need your love so Bad (Little Willie John)
5. Something Special (Eric Clapton)
6. It’s G-Babe (Owen Tufts)
7. Johnny B. Goode (Chuck Berry)
8. Poor Boy (Howlin' Wolf)
9. Sucker for Love (John Mayall)
10. Same Kind of Crazy (Delbert McClinton)
11. All your Stories (Jesse Winchester)
12. Too Tall to Mambo (The Nighthawks)

John Autin - all piano, b-3
Cassandra Faulconer - all bass
Doug Belote - all drums (except 4,5)
Big Daddy 'O' - all vocals, acoustic/electric guitars
Cherie Mannino - female vocal (4)
Tim Ernest - tenor sax (1, 4, 12)
Steve "Harpo" Gelder - harmonica (8),after guitar solo (10)
Rockin' Jake - harmonica (11), before guitar solo (10)
Sam Skeelton - baritone sax (4)
Eric Alexander - trombone (4)
Milo Mannino - trumpet (4)
Shawn Manguno - drums (4)


アメリカン・ルーツ・ミュージックをアコギの弾き語りスタイルで、独特の節回しでもって沁み沁みと歌い上げるBig Daddy ‘O’。曲の殆どはカヴァーで、ブルースやR&B、ソウル、カントリー、ロック、ジャズなど名曲中の名曲からマイナーな曲、エッこんな人の曲まで!
それぞれの曲が全てBig Daddy ‘O’ サウンドに染まる巧みなアレンジ。聴き馴染んだ曲なのに新しい曲を聴いたような新鮮さがあります。そして、何と言っても魅力的なのは、Big Daddy ‘O’ の素朴で心温まる独特の歌声にあります。Big Daddy ‘O’ が歌えばそれは全てBig Daddy ‘O’ の曲になってしまうのです。正に稀代の逸財。

そして、2作目、3作目とアルバムをリリースする毎にバンド・スタイルが増えてきて、4作目でとうとうブルース・アルバムを作ってしまいましたね。
デビューアルバムの様に弾き語りで沁み沁み歌うスタイルが、Big Daddy ‘O’ の本懐という意見もあるだろう。それには賛同するところではあるが、その反面、バンド・スタイルのブルースをたっぷり聴いてみたいという思いもありました。
今回は、ブルース・アルバムを作ってみたらどうかというJohn Autin(プロデューサー)のアドバイスのもと製作されたようですが、個人的には願っても無い事です。

収録曲を見てみますと、オリジナルの(6)以外は全てカヴァーというのは相変わらずで、有名無名幅広く取り揃えた構成。オリジナルに拘ってる自分でも、ことBig Daddy ‘O’ に関してはカヴァーだろうがオリジナルだろうが、その辺りは然程重要なことではない。
ブルース曲であろうと巧みなアレンジ力と素晴らしい表現力で、全ての曲を自分の物にしてしまうからである。
その中でも(7)。チャック・ベリーの代名詞というべきリフをそのまま弾いてしまうと、それは即R&Rの曲となってしまうのだが、それらを排除してスウィンギーでジャジーなジャンプ・ブルースにアレンジされてます。スウィンギーなピアノとギター、それに独特の節回しで「ジョニービーグー~」と歌うボーカル。これには流石に唸ってしまったな。
エリック・クラプトンの(5)は唯一の弾き語りバージョン。フォーキー・タッチの曲調ではあるが、さり気なく絡んでくるスライド・ギターはたまらんですね。勿論、ボーカルやスライドを咬ませたソロ、なかなかブルージーで、こちらが原曲ではないかと思わせる出来栄えです。
ホーン・セクションを導入し、女性ボーカリストとデュエットしてるアーバン・ブルース(4)、ペキペキのギターとディープなハーモニカが痺れる(8)、ロッキン・ブルース(10)、70年代のウッドストックのサウンド思わせるスワンプ・ポップの(11)では、Rockin' Jakeの哀愁漂うハーモニカを伴いしんみりと聴かせてくれるし、なかなか聴き所多し。

バンド・スタイルのブルースだからって魅力が半減するなんてことは決してないですね。
それどころか更に魅力が増したのではないかと感じます。
そして、Big Daddy ‘O’ はやっぱりブルース・マンだと痛感しました。

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