2011年4月11日月曜日

Mark Hummel / Retro-Active


『Mark Hummel / Retro-Active』 (Electro-Fi 3417)
1. Funky Way
2. The Price Of Love
3. Never No More
4. One More Time
5. Roller Coaster
6. I'm Shorty
7. My Baby's So Sweet
8. Honey Bee Blues
9. I Want To Be Loved
10. Strange Things Happening
11. Ready Steady Stroll
12. Lord Oh Lord Blues
13. Highway Rhumba
14. Before The Beginning
15. It's My Life Baby
16. Can't Be Successful


マーク・ハメルはウェストコースト・ブルースのハーピスト&シンガー。1955年生まれということは、ウィリアム・クラークよりも何歳か年下ですね。70年代半ばにはシングルを出してたようですから、かなり若い頃からハーモニカを吹いてたんでしょう。今ではベテランハーピストの1人なのですが、クリームやジミヘン等のブルース・ロックからブルースを知ったそうで、皆同じ様な経路を辿ってるんですね。
偶に思うんですよ、もしイギリス人がいなかったら、ブルースは未だにブラックコミュニティの一音楽のままなんじゃないかって。そして今は、ブルースを演奏するミュージシャンは黒人よりも白人のほうが多い。なぜ黒人の若者はブルースを演奏しなくなったんだろうか?

さて、ウェストコーストのハーピストは大体ジョージ・ハーモニカ・スミスの影響下にあると言われてまして、このマーク・ハメルもクロマチックの音色やらトレモロやら、イカしたサウンドを聴かせてくれるが、全体的な雰囲気はリトル・ウォルターとかジェイムス・コットンのハーモニカに近い感じがします。だが、シカゴ・ブルースにスウィンギーなジャズやR&Rの要素を加えたサウンドはやはりウェストコーストのブルースそのものです。

2010年リリースの今回のアルバムは、1995年から2009年の間に録音された曲を編集したもののようです。トラディショナルなシカゴ・ブルース主体となってるアルバムですが、初っ端1曲目のJimmy Beeバージョンのカヴァーは、ファンキーなロッキン・ブルース仕立て。ファンキーなベースラインとRusty Zinnのバッキングがこの曲の要で盛り立ててるのですが、後半にマーク・ハメルの図太いハーモニカが入って来た時には鳥肌もので痺れました。カッコいい1曲です。
Memphis Slim & Willie Dixonの(4)、Little Walterバージョンの(5)、Jimmy Reedの(7)、Sonny Boy Williamsonの(8)や(12)、Muddy Watersの(9)、Junior Wellsの(15)などなどヴィンテージなシカゴ・サウンドがズラッと並んでおりますが、その中でも、(8)(12)でのジョン・リーを彷彿とさせる生ハープの音色、渋いです。
Percy Mayfield(3)辺りのウェストコーストらしいスウィンギーさはやはり好きで、マーク・ハメルのクロマチック・ハープやRusty Zinnのスウィンギーなギターソロいいですね。
最後の曲(16)はLightnin' Slimバージョンのカヴァーですが、Charlie Musselwhiteがアコースティック・ギターを弾き、マーク・ハメルが生ハープを吹いてる。これもまた渋い。

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