2011年4月17日日曜日

Kirk Fletcher / My Turn


『Kirk Fletcher / My Turn』 (Eclecto Groove EGRCD 511)
1. El Medio Stomp (Kirk Fletcher)
2. Found Love (Jimmy Reed)
3. Natural Anthem (Jesse Edwin Davis)
4. Ain’t No Way (James Earl Thompson)
5. My Turn (Travis Carlton, Paulie Cerra, Luke Miller)
6. Congo Square (Trad. Arr. By Kirk Fletcher)
7. Way Back Home (Wilton Lewis Felder)
8. Blues For Antone (Kirk Fletcher)
9. Let Me Have It All (Sylvester Stewart)
10. Continents End (Kirk Fletcher)

Kirk Fletcher: guitar, bass, & vocals
Michael Landau: guitar
Gary Novak: drums (Tracks 4, 5, 7)
Travis Carlton: bass (Tracks 4, 5, 7)
Bobby Tsukamoto: bass (Tracks 1, 2, 3, 6, 9, 10)
Iver Olav Erstad: organ (Tracks 4, 7, 9) & Rhodes (Tracks 3, 7)
Tom Fillman: drums (Tracks 1, 2, 3, 6, 8, 10)
Paulie Cerra: sax and vocals (Tracks 4, 6)
Luke Miller: organ (Tracks 5, 7) & clav (Track 5)
Paul Litteral: trumpet (Tracks 3, 4, 9)
Dave Melton: slide guitar (Track 3)
James Gadson: drums (Track 9)
Karen Landau: spoken word (Track 10)



カーク・フレッチャーは1975年カリフォルニア州ベルフラワー生まれ。牧師さんの息子として生を受けた訳ですが、父親の教会で演奏していた兄のギターを聴いて、自分もギターを始めたそうです。何とその時カーク君8歳。12歳でブルース・フェスティバルに参加する程の腕前になってたようですが、アルバート・コリンズやボビー・ブルー・ブランドウェイン・ベネット)、ステイプル・シンガーズを観て、自分がやりたかった音楽に気づいたそうである。早熟な天才ギター少年という感じですな。こういう子が増えるとブルースの未来はもっと賑やかものになるんでしょうけれど、、、

そんなカーク・フレッチャーも1999年のファーストアルバム「I'm Here & I'm Gone」発売以降、Lynwood SlimからKim Wilsonのバンド、Mannish Boys、Hollywood Blue Flamesなど、あちこちから引っ張りだこのウェストコースト・ブルースを代表するトップギタリストの一人となりました。セッションの仕事が忙しいからなのか、リーダー作は2003年のセカンド「Shades of Blue」と今回ので計3枚。実力からするとちょっと少ないかな。
カークはAnson FunderburghやKid Ramos同様歌わないギタリストで、トラディショナルなシカゴ・スタイルをベースに、ジャジーさやスウィンギーさを内包しつつ、ファットなトーンで切れ込み鋭くエネルギッシュに弾くギター、これが魅力だと思います。

さて、2010年リリースの通算3作目となる今回のアルバム、1曲目からかなりファンキーなギター・インスト・ナンバーで、ギターのバッキングはファンキー且つエネルギッシュに弾いていて結構カッコいいのですが、ロック色が色濃くなったような、今までのサウンドとはちょっと雰囲気が変わったように感じます。全体的なグルーヴ感はカッコいいですね。
一転、ジミー・リードの(2)では、割とゆったりめのペースでトラディショナルに決めておりますが、マンドリンっぽいサウンドがポイントで、これがダウンホームな雰囲気を醸し出してます。ボーカルはカーク・フレッチャーが担当してまして、カークの歌は初めて聴いたような気がするのですが、黒人らしい深みのある良い声でなかなか上手いです。やはり、今まで歌わなかったのはギターに専念する為だったんですね。
7年ぶりのアルバムということで、本人も力入れて意欲的に作っただろうって事は、歌を披露したことでも十分伝わる所ではありますが、(5)(6)辺りはニューオーリンズのファンク・ジャム・バンド的サウンドで、こういうサウンドを演るとは思いもしなかったですね。
(5)は間やタメを活かしたゆるいグルーヴ感とワウ・ギターの使い方は結構気持ち良くて、最近の本場ニューオーリンズのジャムバンドは年々ハードになってきてるので、自分としてはこのくらい間のあるグルーヴが好きだな。
(6)はネヴィル・ブラザーズやサニー・ランドレスも演奏した定番中の定番曲。ネヴィル・ブラザーズのバージョンを下敷きにしてるように感じますが、ギターを全面にバーンと持ってくる所は、やっぱギタリストのカーク・フレッチャーならではでしょうね。ギターのカッティングなんかフリー・ジャズっぽくて痺れるところです。
そして、(9)。スライ&ザ・ファミリー・ストーンまでやっちゃう!という感じで、ほんと想定外だ。でも、ワウを噛ませたチャカポコ・ギターはめちゃファンキー・グルーヴで好きなんだな。思わず顔がにやけてしまいますよ。
ストレートなブルース曲(8)では、いつもの仰け反りギターを聴かせてはくれるのですが、しかし、カーク・フレッチャーは一体何処へ行こうとしてるのだろうか。

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